研究課題/領域番号 |
18K09296
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
山本 篤 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00468349)
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研究分担者 |
岡田 弘 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00177057)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | オートファジー / 受精卵 / 卵子 / 不妊 / 胚発生 |
研究実績の概要 |
ヒト胚におけるオートファジーの存在を確認することが、研究の第一段階である。 2019年度は、ヒト余剰胚の研究利用の申請許可も、学内倫理審査、日本産科婦人科学会よりとれたため、定性的な実験によりその存在の有無を評価することを第一の目的とした。 用意した抗体によりオートファジーを検出できることをHela細胞を用いた研究で確認した。 現時点で廃棄滅失の意思を伝えていただいた数人の患者家族に研究の説明と同意を得た段階である。使用薬剤やデータの安定性のために、書類が一定数、集まり次第、確認実験を開始できる状態となった。
定量的な検出については、予備実験のマウス胚では、オートファジー関連タンパクの検出が困難であり、前施設で確立してきた手技が機器の違いなどから応用が難しいことが分かってきた。この為、複数の予備実験を継続し、前施設の指導者とも相談を行っている状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ヒト胚での実験応用のための予備実験がうまく機能していないため。 受精卵に含まれるオートファジー関連たんぱく質を定量的に同定するために、過去に、マウスの卵子を複数個回収して、予備実験を行ってきた。かなり少ない個数でも同定できるよう調整してきたが、現時点で提供されたヒト胚で同実験をやるには、現実的でない個数が必要な状況である。より少ない数でたんぱく質を同定できるよう検討を行っている。 一方、定性的な実験は予備実験が完了し、同意書のご家族への署名待ちである。
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今後の研究の推進方策 |
定量実験の効率化のために、マウス胚を利用しての予備実験を進める。免疫反応賦活剤、高感度検出器、反応試薬、の3点の面から、新たな条件検討を行う。 定性実験については、患者への説明、同意数を増やし、データの蓄積を行う。 定性実験結果についてのみでも、ヒト胚でのオートファジー研究発表はないので、意義があると考え、論文発表を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度、フィラデルフィアで行われたアメリカ生殖医学会にて研究成果のポスター発表を行う予定であったが、大型台風のため、新幹線が運航停止、羽田空港、成田空港からの飛行機発着が2日にわたりなくなってしまい、参加を辞退したため旅費の出費がなくなった。また、2月に泌尿器分子生物学会で研究成果の一部を発表する予定であったが、新型コロナウィルスの影響で学会が中止となり、徳島県での旅費の出費がなくなった。 また、予備実験で用いるマウスの購入が、実験の調整に伴い、少なくて済むようになった。 以上の事由により使用額に差異が生じた。 2020年度は、マウス胚ではなくヒト胚を用いるため、使用器具が異なるため、その購入に充てる予定である。また、研究成果を各学会で発表する予定であり、旅費に充てる予定である。
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