研究課題/領域番号 |
18K09300
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
池田 仁惠 東海大学, 医学部, 講師 (20365993)
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研究分担者 |
信田 政子 東海大学, 医学部, 講師 (10338717)
三上 幹男 東海大学, 医学部, 教授 (30190606)
柴田 健雄 東海大学, 健康学部, 講師 (30366033)
平澤 猛 東海大学, 医学部, 准教授 (70307289)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / 血清バイオマーカー / 糖ペプチド / 質量分析 / 人工知能 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、従来の単一分子の血清腫瘍マーカー測定では卵巣癌早期診断は不可能であることからその古い概念を打ち破り、究極のCombination Assayと思われる網羅的血清糖ペプチドピーク(約20000ピーク)と人工知能を用いた卵巣癌早期診断の開発(CSGSA法を用いた深層学習(人口知能)による診断)を目標としている。 昨年度より例数を増やして、Training set(I期卵巣癌58例X非癌152例)、Test set(I期卵巣癌39例X非癌102例)、合計I期卵巣癌97例X非癌254例の血清のCSGSA法にて得た糖ペプチドピークを用いて解析を行った。2次元バーコード画像化については、①2次元バーコードでの糖ペプチドピーク配置をPCA解析結果をもとに配置する、②CA125とHE4の値によって2次元バーコード全体を色付けする、この2点の改良を行い新たな色付き2次元バーコード画像化を行い、Deep learning(Mathworks 社MATLAB)にて卵巣癌と非卵巣癌例の分離を試みた。この工夫により、I期卵巣癌と非卵巣癌はAUC95.4%で分離可能となった。これはCA125単独(AUC86.6%)、HE4単独(87.1%)と比べて極めて高い値であり、血液によるI 期卵巣癌と非卵巣癌例の選別としては特出すべき結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では方法論の改良とその診断精度を上げることである。そのためには多くの患者血液(卵巣癌、子宮内膜症性嚢胞、良性卵巣腫瘍、健常人)を必要とする。そこで本年度は昨年度、日本中の血液バイオバンクより収集した血清を用いて再度CSGSA解析で糖ペプチドのデータ測定を行い、I期卵巣癌と非卵巣癌をさらに高い精度で選別する診断システムの開発を行う。
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今後の研究の推進方策 |
卵巣癌は、前癌病変が分かっているタイプI型と de novo発生のタイプII型があり、健常人、前癌病変患者、卵巣癌各タイプ型・各進行期(I-II期XIII-IV期)患者の血液の組み合わせを変えることで、本診断システムではそれぞれのカテゴリ-を選別する判別法としての確率(新たな腫瘍マーカーの概念:単一分子のマーカー値でない)が計算される(例、子宮内膜症性嚢胞の経過観察に有用な子宮内膜症性嚢胞例X卵巣明細胞腺癌I-II期例の組み合わせ、卵巣癌検診に生かすための卵巣癌I-II期X健常人の組み合わせ、など)。多数例を用いた検討で、各組み合わせの判別のためのAUSが99%を超えるようになるまでの診断システムの向上を目標に症例数の追加、分析、検討を重ねる。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、すでに研究計画申請承認前よりも前に行っていたパイロット研究の結果の分析・検討とサンプルの収集を中心に行っていたために経費が予想よりも少なくて済んだ。次年度には採集されたサンプルを用いた分析、論文投稿費用、学会報告を行うことに繰越金を充当する予定である。
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