研究課題/領域番号 |
18K09301
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
西 洋孝 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (60307345)
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研究分担者 |
山中 善太 東京医科大学, 医学部, 助教 (30816757)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腫瘍マーカー / miRNA / 子宮体癌 |
研究実績の概要 |
microRNA(miRNA)の発現パターンは、がんを含む種々の疾患においてダイナミックに変化するが、診断・治療に関するバイオマーカーとしても有望視されている。臨床上利用される子宮体癌に対する腫瘍マーカーとして血清中CA125値があるが、その感度や特異度は決して高くない。本研究では、有用な特異的な腫瘍 マーカーの存在しない子宮体癌の早期診断や効率的なフォローアップを可能とするような血清中miRNAの探索・同定を行う。子宮体癌患者における循環血液中の miRNAを網羅的に解析し、発現量が大きく変化しているmiRNAとしてmiR-565-5p、miR-633、miR-1275およびmiR-4306を同定した。これらと進行期・予後・治療に 対する奏効性および組織型などとの相関性を調べ、末梢血液中の循環miRNAの臨床的意義を探る予定であったが、コロナ禍により研究業務遂行が困難であったた め、予定していた研究成果を得ることができなかった。また、miR-565-5p、miR-633、miR-1275およびmiR-4306の候補標的遺伝子をin silico解析により検索し、3’-UTRを含む候補標的遺伝子配列をルシフェラーゼコン ストラクトに組み込み、子宮体癌細胞株を用いてmiRNA強制発現系でリポーターアッセイを行う予定であった。しかし、やはりコロナ禍による研究業務の停滞のため、目立った研究成果が得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍により研究以外の業務が優先される状況であった。また、研究助手も不在のままであり、研究サポート体制が脆弱であった。そのため、研究の遂行が困難であり、プロジェクトの進捗が大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
子宮内膜増殖症および子宮体癌の検体採取をもれなく効率よく行う。続いてtotal RNAの抽出作業を滞りなく行う。バイオマーカー候補のmiRNAとその候補標的遺 伝子の相関性をリポーターアッセイ等で検討する。コロナ禍の鎮静化が見込める状況ではないが、研究助手を1名確保できたので、このような環境でも研究を遂行できる体制が整いつつある。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 検体採取に遅れを生じ、核酸抽出等の試薬等の使用頻度が少なかったため予定より消耗品費が少なかった。また、検体からのtotal RNAの抽出作業にも遅れ が生じたため、消耗品等の費用が予定より少なくなった。総じてコロナ禍による研究プロジェクト進捗の遅れが主な要因といえる。 (使用計画) 次年度に遅れている作業を効率よく速やかに行い、今年度の繰り越し額分も消費する予定である。
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