研究課題
昨年度に引き続き本年度も、研究代表者の施設およびその関連施設において、腎静脈より頭側の高位傍大動脈リンパ節(以下、supra-renal PAN)を含む傍大動脈リンパ節および骨盤リンパ節の系統的摘出術を施行した初発の卵巣癌(原発性腹膜癌、卵管癌)患者を集積し、以下に関して評価を行い、データベースを構築した。評価項目は以下の通りである。①supra-renal PANの病理学的転移頻度、②他の後腹膜リンパ節転移部位との相関(転移リンパ節マッピング)、③suprarenal PAN転移例と非転移例における各種臨床病理学的因子の比較(年齢、原発部位、臨床病期(FIGO分類)、治療前の血清CA-125値、治療前の画像診断におけるsupra-renal PAN腫大、病理組織型、手術完遂度および残存腫瘍の最大径、手術時間およびリンパ節郭清に要した時間、術中出血量および輸血の有無、術後合併症、摘出総リンパ節数および摘出supra-renal PAN数、リンパ節の顕微鏡的転移サイズ)、④PET-CTによるsupra-renal PAN転移の術前診断の可否(術前にFDGを用いたPET-CT検査が施行された患者を対象に、対象リンパ節のSUVmax値と術後病理組織診断の整合性)。予定集積症例数より少ないものの、全8例の評価を行った。COVID-19の蔓延に伴う総症例数の著しい減少により、想定よりも登録症例数の伸びが緩慢であるため、引き続き症例集積の増進に努める予定である。
4: 遅れている
集積症例数は当初見込んでいた予測数より少なかった。COVID-19蔓延による対象となる総症例数が少なかったことに起因すると考えられた。
対象症例数を増やすべく、鋭意努力を行う。具体的には医療連携の取り組みを通じて、近隣医療機関からの対象症例の紹介数の増加を図る。しかしながらCOVID-19蔓延による総症例数の減少の影響は大きく。今後の見通しは芳しくない。
COVID-19蔓延に伴う総症例数の著しい減少に伴い、集積症例数の減少が生じ、解析症例数が減少した。また活動自粛の影響により、学会参加の機会が大きく減少した。そのため使用額も減少した。今後は2020年度の残金と次年度の助成金と併せて、症例集積のための情報収集活動、研究協力者への啓蒙と打合せ、学会への参加、論文発表等に使用する予定である。
すべて 2020 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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