研究課題/領域番号 |
18K09305
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
高江 正道 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00621301)
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研究分担者 |
塚田 孝祐 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00351883)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 光干渉断層計 / 卵巣組織移植 |
研究実績の概要 |
研究代表者らは、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography: 以下OCT)を用いた原始卵胞の非侵襲的な可視化の技術を用い、卵巣組織移植を行う際に最適な卵巣組織を選択することによって、本医療の臨床成績を向上させるための研究をおこなっている。第一に、OCTによる原始卵胞定量化の正確性について検証を進める研究を立案しており、臨床研究として小児卵巣組織凍結症例のリクルートを試みている最中である。技術的には、分担研究者である慶應義塾大学の塚田孝祐博士によって画像フィルタリングシステムの向上及び工学系の改良を進めている。第二に、研究代表者らが自作した近赤外線照射機器を用い、近赤外線による生殖細胞への影響を検証する研究を進めている。本パートに関しては、既に60-240mW/m2の照射によって受精能および胚盤胞到達率などに影響がないことを証明できてはいるが、今後さらに産仔率ならびにメチル化などのエピジェネテッィクな変化がないかについて検証をすすめる。また、安全限界を決定するためにも、より高出力の機器ないしは照射時間、温度などの条件設定も進める必要性がある。さらに、本研究の仮説である、卵巣組織選択による卵巣移植成績の改善についても実証が必要である。こちらに関しては、現時点では条件検討の段階で実際の実験系は稼働していない状況ではあるが、OCTによる卵胞カウント、組織学的な確認による従来の卵胞カウント、体外受精ならびに月経回復期間などが同時に検証可能な実験系を構築する予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
OCTの最大の欠点として、画像の解像度(画質)と近赤外線の深達度(深さ)が反比例してしまうことが挙げられる。その二つを両立しようとする場合、OCT機器に関して高度かつ高額な改良が必要になってしまう。できる限り安価に改良を行うため、試行錯誤をしており、そのためにやや進捗が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
画像の解像度(画質)と近赤外線の深達度(深さ)の問題を解決できた場合、一気に本研究が進むと考えられ、現在共同研究者である慶應義塾大学の塚田孝祐博士の協力を得て、これらを進めることが最良の方策であろうと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に比較的高額な試薬を購入するため、今回約5万円を次年度分とした。
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