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2020 年度 実施状況報告書

羊水細菌叢の網羅的解析による早産予防治療戦略構築のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09306
研究機関久留米大学

研究代表者

吉里 俊幸  久留米大学, 医学部, 教授 (80264034)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード妊娠 / 腟分泌物 / 菌叢解析
研究実績の概要

正常単胎妊婦21例を対象とし、妊娠20-24週および32-36週に腟分泌物を採取した。経分泌物からDNAを抽出した後、16S ribosomal RNA遺伝子におけるV1-V2 hypervariable regionをPCRを用いて増幅し、operational taxonomic unit(OTU)解析を用いて菌叢の同定を網羅的に行った。妊娠の進行に伴う菌叢の変化と臨床的背景との関連について検討した。
1)21症例、42検体は7つのクラスターに分類することができた。腟分泌物を構成する主たる菌種は、Lacobacillus属の4菌種(L. crispatus, iners, jensenii, gaseri)およびbacterial vaginosis(BV)関連菌であった。2)17症例では、2つの採取期間で同じクラスターに属し、残り4症例では、異なるクラスターを形成した。
妊娠中における腟細菌叢は、妊娠の進行と共に、菌叢の種類は多様性が減少し、安定した筋層を形成する一方、子宮手術歴を有する妊婦では、BV関連性の菌種が認められ、むしろ多様性が増加していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度までは、正常妊婦を対象として、網羅的菌叢解析を行った。昨年度までは、正常症例を増やし、前述のpreliminary dataを統計学的処理に耐える程度の症例を増やす必要があり、現在検体採取を行っている。さらに、病的逸脱妊婦(早産、切迫早産、過期産妊婦)についても現在、検体採取を行っている。

今後の研究の推進方策

昨年度までに得られた正常妊婦における妊娠の進行に伴う菌叢の変化についてのデータをまとめて、論文化する。これは今後、病的逸脱妊婦との比較を行う上でのreferenceとなる。さらに、異常妊婦でも同様の解析を行い、双方の菌叢組成おうびその変化の違いを明らかにすることによって、病態を比較することにより、早産あるいは過期産の要因の一旦を解明できるものと思われる。

次年度使用額が生じた理由

令和2年度は、コロナ禍の影響で検体採取が十分ではなく、当初の研究計画を1年延長する こととした。
令和3年度は、最終年度となるため、現在検体採取を順次実施しているところである。年度内に菌叢解析を終了させる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Vaginal microbiome of normal Japanese pregnant women at second and third trimester2021

    • 著者名/発表者名
      Yokomine M, Yoshizato T, Horinouchi T, Ushijima K
    • 学会等名
      日本産科婦人科学会

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公開日: 2021-12-27  

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