各種頭頸部癌細胞株を用いた解析から、上咽頭癌細胞株の細胞表面にCD70が発現していることが明らかとなった。上咽頭癌患者組織を用いた検討では、腫瘍細胞にCD70の発現を認めるとともに、腫瘍周囲に浸潤しているリンパ球にCD27の発現を認めた。組織中のCD70発現とEBウイルス感染の間に有意な相関が認められた。また、上咽頭癌患者血清中に可溶性CD27の発現を認めるとともに、健常人と比較して有意に高値を示した。以上より、上咽頭癌においてEBウイルスが腫瘍細胞のCD70発現に関与している可能性と腫瘍細胞がCD70/CD27経路を介して周囲のリンパ球に何らかの影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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