研究課題/領域番号 |
18K09312
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
粟飯原 輝人 大阪医科大学, 医学部, 特別職務担当教員(専門教授) (30268619)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | BNCT / 加速器 / LAT1レセプター / N/C比 |
研究実績の概要 |
BNCTの治療効果予測因子の検討を行っている. 当初のLAT1レセプターの発現率に加え,腫瘍細胞の核/細胞体積比(N/C比)がBNCTの治療効果予測因子となり得る可能性が示唆され,今までの臨床研究を行った症例のうち,9例の病理組織学的所見から解析した結果,N/C比の高い症例は実際の線量と同等,もしくはそれ以上の治療効果が得られている可能性が示唆され,N/C比の計測はBNCT治療効果予測因子になり得る可能性があることがわかった. また以前まで解析していたBNCT治療前に行った18FBPA-PET検査におけるホウ素化合物の腫瘍集積比を,N/C比計測症例と比べたところ,N/C比と併せて線量評価を行うAbsolute biological effectiveness (ABE) doseが実際の照射線量と治療効果とに大きな相関がある可能性が示唆された. 2020年3月に加速器BNCTの医療機器承認が下り,今後は加速器照射の症例が増えることが予想される.その為にはLAT1レセプターの発現率に加えて,腫瘍組織のN/C比の解析を進める必要があると言うことが,本年度の研究で示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LAT1レセプター発現率の計測は遅れているが,新たに開始したN/C比計測の解析を進めているため,結果としては順調に進んでいると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
従来掲げてきたLAT1レセプターの解析に加えて,今後加速器BNCT照射を受けた症例のN/C比の解析を行うことで,治療効果予測因子の検討を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大により,年度末に予定されていた研究会や打ち合わせ,および実験が全てキャンセルになったため,その費用が次年度使用額として計上された.COVID-19感染が終息に向かえば,速やかに研究を再開する予定であり,摘出腫瘍細胞のLAT1発現率及びBNCT症例のN/C比計測実験の抗体購入費用および病理標本作成費用に使用する予定である.
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