本研究は頭頸部癌とMicrobiomeとの関連を包括的に検索する研究である。特に他癌腫において指摘されているFusobacteriumについて特に注目し、凍結切片からのPCR検出をまず行っている。これまでに集積された頭頸部扁平上皮癌手術検体からFusobacteriumのDNA検出を引き続き行った。これまで下咽頭癌66例、喉頭癌44例、口腔がん94例、中咽頭癌の解析が終了し、それぞれ口腔癌からの陽性率高く、順に中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌の順序となった。PCRでFusobacteirum陰性症例の多くが長期生存を達成しており、特に下咽頭癌については有効なバイオマーカーとなることが示唆されている。カットオフ値としてのCT値をいずれにするのかは症例集積を待たなければならないが、合わせて集積されているRNA情報を用いてGSEAを行い、Fusobacteriumと関連する分子機構についても明らかにできると考えられる。 現在、本結果をもとにこれまでに集積されたHPV因子、TP53因子、生存情報との関連を検索しており、近々学会発表並びに論文投稿を行える見込みとなっている。あわせて追加検体が生じているため、その追加解析を行っている状況である。
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