大脳機能、聴覚賦活化による加齢性平衡障害の予防・治療法の確立のため、マウス、ヒトでの研究を行った。C57BL6マウスは12か月齢で約半数に体平衡機能障害を生じ、24か月で100%になった。メラトニン、メラトニン受容体は内耳に広範囲に分布し、加齢に伴い減少した。その作用は感覚細胞興奮伝達、水分輸送、障害軽減であり、加齢性内耳障害に関係する。ヒトでの研究では、高齢者では前庭皮質での応答が減弱、遷延し加齢性平衡障害に関係すると思われた。白色雑音での聴覚刺激やガム咀嚼による大脳賦活化で体平衡機能は向上し、この作用は正常者よりめまい患者、特に高齢者、心因性めまい患者で顕著に現れた。
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