研究課題
研究期間全体を通じて以下の研究結果を得た。①IgG4-RD患者の顎下腺組織中のCD4+CD8+ Tfh細胞の割合と血清IgG4値、CD4+CD8+ Tfh細胞の割合とmemory B細胞(CD3-CD19+CD27+IgD-)の割合との間に有意な負の相関を認めた。②Whole B細胞に占めるB細胞サブセットの割合についてIgG4-RDの顎下腺組織(tertiary lymphoid tissue)と口蓋扁桃組織(secondary lymphoid tissue)とで比較検討を行ったところ、naive B細胞(CD3-CD19+CD27-IgD-)は顎下腺組織で優位であるのに対して、memory B細胞は口蓋扁桃組織で優位であった。③小児の口蓋扁桃からCD4+CD8+ Tfh細胞と各種B細胞サブセットを単離して共培養を行い、培養上清中のIgG産生について検討したところ、CD4+CD8+ Tfh細胞とmemory B細胞の共培養でnaive B細胞やwhole B細胞との共培養と比較してB細胞からのIgG産生が低く抑えられた。④CD4+CD8+ Tfh細胞はCD4+CD8- Tfh細胞と比較して抗CD3、抗CD28抗体の刺激により多量のgranzyme Bを産生することを発見した。⑤口蓋扁桃由来のCD4+CD8- Tfh細胞に対して抗CD3、抗CD28抗体、IL-2、-7の混合刺激を加えたところCD4+CD8+ Tfh細胞の割合が増加した。上記の結果からCD4+CD8+ Tfh細胞は慢性炎症環境下でCD4+CD8- Tfh細胞より分化誘導され、memory B細胞を標的細胞として細胞傷害機能を発揮することが明らかとなった。結果、CD4+CD8+ Tfh細胞はmemory B細胞からのIgG産生を抑えることで、過剰な免疫反応を抑制していると考えられた。
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