研究課題/領域番号 |
18K09323
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
亀倉 隆太 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70404697)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | IgG4関連疾患 / 細胞傷害性Tfh細胞 / Tfh細胞 / IgG4関連涙腺・唾液腺炎 / memory B 細胞 |
研究成果の概要 |
扁桃組織とIgG4-RD患者の顎下腺組織中の CD4+CD8+ Tfh細胞とB細胞サブセットの解析の結果、CD4+CD8+ Tfh細胞はIgG4-RDの顎下腺組織で増加し、その割合とmemory B細胞の割合との間に有意な負の相関を認め、CD4+CD8+ Tfh細胞とmemory B細胞の共培養でIgG産生が抑制された。また、CD4+CD8+ Tfh細胞は多量のgranzymeを産生した。上記の結果からCD4+CD8+ Tfh細胞は慢性炎症環境下でmemory B細胞に対して細胞傷害能を発揮し、memory B細胞からの抗体産生を抑制して免疫反応を制御していると考えられた。
|
自由記述の分野 |
免疫・アレルギー
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のところIgG4-RDの病因は不明である。今回我々はIgG4-RDの病変部位に存在するTfh細胞を直接解析することにより、細胞傷害性Tfh細胞という新しい細胞群を発見することができた。細胞傷害性Tfh細胞の機能的役割の解明はIgG4-RDにとどまらず、その他の難治性慢性炎症性疾患の病態の新たな理解や治療法の臨床応用に向けて、これまでにない展開がもたらされることが期待される。細胞傷害性Tfh細胞を標的にするIgG4-RDの新規治療法が実用化されれば、従来のグルココルチコイドに代わる副作用の少ない治療が可能となり、多くのIgG4-RDの患者がその恩恵を受けることになると確信している。
|