線毛運動は線毛運動頻度(CBF)と線毛運動振幅(CBAあるいはCBD)の二つのパラメータで表される。鼻粘膜線毛運動は、カルシウムや水素やクロライドなどの細胞内イオンによって制御されており、細胞内クロライド濃度の減少により増強する。ヒト鼻粘膜線毛培養細胞を用いてビデオ付き高速度カメラでCBFとCBAを測定する系を我々は確立した。その結果細胞内クロライド濃度の低下はCBFではなくCBDの増加をまた細胞内クロライド濃度の増加はCBFとCBD両者の低下を引き起こすことが判明した。軸糸構造は細胞内クロライドイオンのセンサーを有し細胞内クロライドイオンの増減により線毛運動を制御する可能性が示唆された。
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