• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

下咽頭癌手術例におけるFAK発現と腫瘍免疫応答についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09339
研究機関東京大学

研究代表者

小村 豪  東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (00601139)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード頭頸部粘膜悪性黒色腫 / 遺伝子変異 / 次世代シーケンサー / 癌遺伝子
研究実績の概要

当初計画していた下咽頭癌FFPE標本からのPD-1,PD-L1の免疫組織染色について、条件設定に難渋しており、評価にまで至っていない。
悪性黒色腫はFAKとの関連報告が多く認め、近年PD-1阻害剤により治療成績の向上を認めるが、その多くは皮膚原発の検討である。一方、粘膜悪性黒色腫の頻度は悪性黒色腫のうち0.8-3.7%と非常に稀で頭頸部原発がその半数を占めるとされる(Head Neck 2016; 38: 147-155)。主な治療は手術+術後放射線療法とされるが、まだ標準化には至っていない。局所再発、遠隔転移をきたしやすく、その5年無病生存率は20%未満と予後不良である。日光の暴露との関連はないとされていて(Melanoma Res 2011; 21: 475-482)、白人と比較し日本人において悪性黒色腫全体における割合が高いとされる。これらのことから日本人コホートにおける頭頸部原発粘膜悪性黒色腫が皮膚悪性黒色腫と同様のプロファイルなのか、知見の集積が必要である。
そこで2010年に国立がん研究センター中央病院IRB承認以降、治療を受けた頭頸部原発粘膜悪性黒色腫症例の手術もしくは生検で得られたホルマリン包埋標本からGene RadTM DNA FFPE Kitを使用してDNAを抽出し、次世代シーケンサー(Illumina社、MiSeqTM)にて治療ターゲットとなりうるBRAF、K-RAS、H-RAS、N-RAS、c-Kit、PDGFR、GNAQ、GNA11遺伝子のホットスポットの変異解析を開始している。サンプルについては55検体からDNAを抽出するに至っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

下咽頭癌FFPE標本からのPD-1,PD-L1の免疫組織染色について、条件設定に難渋していて、本研究については当初の計画より遅れている。他方、頭頸部粘膜悪性黒色腫の検討については現状では順調であり、第43回日本頭頸部癌学会総会にて口演予定である。

今後の研究の推進方策

頭頸部原発悪性黒色腫の変異検索については年間5例程度の上乗せは可能であり、変異検索の上英文誌投稿の予定である。また、可能であればPD-1の発現および、mutation burdenについても検索できればと考えている。

次年度使用額が生じた理由

2010年に国立がん研究センター中央病院IRB承認以降、当院で治療を受けた頭頸部原発粘膜悪性黒色腫症例の手術もしくは生検で得られたホルマリン包埋標本からGene RadTM DNA FFPE Kitを使用してDNAを抽出し、次世代シーケンサー(Illumina社、MiSeqTM)にて治療ターゲットとなりうるBRAF、K-RAS、H-RAS、N-RAS、c-Kit、PDGFR、GNAQ、GNA11遺伝子のホットスポットの変異解析を行う。現在順次変異解析中である。主に試薬購入に際し、助成金を使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] All-Exon TP53 Sequencing and Protein Phenotype Analysis Accurately Predict Clinical Outcome after Surgical Treatment of Head and Neck Squamous Cell Carcinoma2019

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi K, Yoshimoto S, Matsumoto F, Ando M, Murakami N, Omura G, Fukasawa M, Matsumoto Y, Matsumura M, Akamatsu M, Hiraoka N, Eigitsu R, and Mori T
    • 雑誌名

      Annals of Surgical Oncology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      https://doi.org/10.1245/s10434-019-07287-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 下咽頭癌症例におけるALDH2多型と飲酒量および予後についての検討2018

    • 著者名/発表者名
      小村 豪, 安藤 瑞生, 小林 謙也, 福岡 修, 明石 健, 齊藤 祐毅, 吉田 昌史, 山岨 達也
    • 雑誌名

      頭頸部癌

      巻: 44 ページ: 365-369

    • DOI

      https://doi.org/10.5981/jjhnc.44.365

    • 査読あり
  • [学会発表] 下咽頭喉頭癌手術例における病理学的転移リンパ節個数と遠隔再発に関する検討2018

    • 著者名/発表者名
      小村 豪、森 泰昌、松本 吉史、松村 聡子、深澤 雅彦、小林 謙也、松本 文彦、吉本 世一
    • 学会等名
      日本頭頸部癌学会総会
  • [学会発表] 頭頸部遊離組織移植手術症例における術後譫妄発症の危険因子についての検討2018

    • 著者名/発表者名
      小村 豪、小林 謙也、松村 聡子、坂井 梓、池田 篤生、松本 吉史、深澤 雅彦、松本 文彦、吉本 世一
    • 学会等名
      日本頭頸部外科学会総会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi