当初計画していた下咽頭癌手術症例検体からのPD-1,PD-L1の免疫組織染色については評価には至らなかった。FAKとの関連性が報告されている悪性黒色腫に注目し、国立がん研究センター中央病院で治療を受けた頭頸部原発粘膜悪性黒色腫症例のFFPE検体を用いて、治療標的となりうる癌遺伝子のホットスポットの変異解析を行った。皮膚原発悪性黒色腫の半数近くで認めるBRAFV600の変異は0例で、NRASおよびKITの変異は各々22、9%に認めた。また、頭頸部悪性腫瘍全国登録のデータを利用してAYA世代発症舌癌とそれ以外の年代で発症した舌癌患者の予後を調査しAYA世代患者の方が予後良好であったと報告した。
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