• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

唾液腺導管癌の個別化治療へ向けた癌ゲノム解析研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09340
研究機関岡山大学

研究代表者

安藤 瑞生  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60511467)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード唾液腺癌 / 癌ゲノム
研究実績の概要

唾液腺導管癌は乳腺導管癌に類似した病理組織像を呈し、悪性度の極めて高い唾液腺腫瘍である。発生母地の観点からは、正常唾液腺に発生する新規癌と、 多形腺腫に由来する悪性転化癌とに大別される。さらに、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)の遺伝子増幅の有無を軸としてゲノム医療(precision medicine)の格好のターゲットになりうる。本研究は、多施設から集積した唾液腺導管癌検体のゲノム解析研究と、疾患動物モデルを用いた実験的研究とを組み合わせ、 患者選択の基準となる治療効果予測因子を同定することを目的とする。
今年度は新型コロナウイルス感染症対策による研究設備の閉鎖が影響し、動物実験を進めることができなかった。多形腺腫に由来する悪性転化癌に引き続き注目し、同一症例における正常組織、多形腺腫、導管癌それぞれの成分のゲノム解析を実施している。癌関連遺伝子(約500遺伝子)のエクソン解析、 遺伝子コピー数解析、遺伝子発現解析、融合遺伝子検出、hypermutator phenotypeの同定、マイクロサテライト不安定性 (MSI; Microsatellite Instability)の検出を統合的に解析中である。以上より、多形腺腫由来癌ではHER2増幅陽性例が多いだけでなく、特徴的なゲノム異常があることが確認されている。導管癌に特徴的なHER2異常を始めとしたドライバー変異がどの段階で生じているのか、引き続き解析を進めていく。可能な限り、腫瘍周囲微小環境も検討項目に加える予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

多形腺腫からの悪性転化癌5症例のゲノム解析はほぼ完了している。動物実験にはまだ進めていない。

今後の研究の推進方策

引き続き臨床情報と遺伝子異常の解析を継続し、動物実験を進める。

次年度使用額が生じた理由

動物実験に未着手であり、今年度はデータ解析を主としたことから、研究費に余剰を生じた。最終年度は、動物実験・分子生物学的実験に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The clinicopathological significance of the adipophilin and fatty acid synthase expression in salivary duct carcinoma2020

    • 著者名/発表者名
      Hirai H, Tada Y, Nakaguro M, Kawakita D, Sato Y, Shimura T, Tsukahara K, Kano S, Ozawa H, Okami K, Sato Y, Fushimi C, Shimizu A, Okamoto I, Takase S, Okada T, Sato H, Imanishi Y, Otsuka K, Watanabe Y, Sakai A, Ebisumoto K, Togashi T, Ueki Y, Ota H, Saigusa N, Takahashi H, Ando M, Urano M, Hanazawa T, Nagao T
    • 雑誌名

      Virchows Archiv

      巻: 477 ページ: 291~299

    • DOI

      10.1007/s00428-020-02777-w

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi