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2021 年度 実施状況報告書

低酸素・低体温刺激による生体内在性聴覚/嗅覚障害予防機構の活性化

研究課題

研究課題/領域番号 18K09341
研究機関東京大学

研究代表者

吉川 弥生  東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (00452350)

研究分担者 菊田 周  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00555865)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード内耳 / 平衡覚 / 神経保護 / 低酸素
研究実績の概要

当初の計画では、令和3年度が本研究の最終年度であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により動物実験が制限されたため、研究期間の延長を申請した。しかし連携研究者により細胞実験を行うことができたので、その結果を述べる(論文未発表)。
低酸素ストレスが内耳障害に与える影響について検討を行った。方法:ICRマウスの生後3-5日齢30匹を用いて実験を行った。ICRマウスを麻酔後側頭骨内側より卵形嚢(Utricle)及び球形嚢(Saccule)を摘出し、耳石を除去して感覚上皮を摘出した。これをグルコースとペニシリンGを加えた無血清改変イーグル培地(DMEM)で1週間器官培養を行い、低酸素実験を行った。低酸素負荷を再現する薬剤として鉄のキレート剤であるDFX(Desferrioxamine mesylate salt)を使用し、内耳障害を与える薬剤としてゲンタマイシン(GM)を使用した。DFX1日投与後にGMを1日投与し、その後通常培養液で培養した。対照群として通常培養液でも1週間培養を行った。培養終了後に器官を4%PFA(パラホルムアルデヒド)で固定し、透過処理したのちファロイジン488で染色した。結果:感覚毛数を測定したところ、GMのみとDFX(10uM)+ GMの群には有意差が見られ(P<0.05)、感覚毛の残存が多く見られた。また,GMのみとDFX(1uM)+ GMの群では有意差は見られなかった(P>0.05)。DFX(100uM)+ GMの群ではGMのみと比較して感覚毛数は多かったが、DFX(10 uM)+ GMの群より少ないことが判明した。以上より、低酸素負荷障害モデルを作製することができ、DFXはin vitroの実験において前庭有毛細胞に対して濃度依存性に障害を与え、低酸素ストレスは前庭有毛細胞の感覚毛障害に対して保護的に働く可能性があることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症対策のため動物実験施設が閉鎖された影響によりBrainbowマウスに関する研究が中断となった。

今後の研究の推進方策

動物実験の再開を目指す。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症対策のため動物実験施設が閉鎖され実験が中断となっているため。次年度には、現在までに明らかに なっている1) thy1-Brainbow3.2 Tgマウスの成長が遅い問題に対して、出産直後のgenotypingを行いTgマウスの隔離を行う、経産ICRマウス を用いた仮親を導入 する、などにて安定した供給を試みる。また、2) 内耳へのCreの導入率・GFP発現に差がある問題に関しては、蝸牛神経特異的Cre発現マウス の作成を検討して いる。

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公開日: 2022-12-28  

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