研究課題/領域番号 |
18K09342
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
朝蔭 孝宏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50361481)
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研究分担者 |
森田 圭一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10396971)
池田 貞勝 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20787816)
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
石川 俊平 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50418638)
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ニボルマブ / バイオマーカー / 遺伝子解析 / 腫瘍微小環境 |
研究実績の概要 |
平成29年3月にシスプラチン抵抗性の再発転移頭頸部癌に対してニボルマブの保険適応が認められて以降、当院では合計16例の症例にニボルマブの投与が行われてきた。その内訳は以下の通りである。 年齢は47歳~79歳(中央値62歳)であった。男性は11例、女性は5例であった。臨床診断は様々であり、鼻副鼻腔癌が5例、口腔癌が5例、下咽頭癌が3例、中咽頭癌が2例、原発不明頸部転移癌が1例であった。病理組織型は頭頸部癌で最多の扁平上皮癌が14例、悪性黒色腫が1例、筋上皮癌が1例であった。ニボルマブの投与回数は最小が1回、最大が31回で中央値は7回であった。現時点で治療を継続中のものは5例、中止したものは11例であった。ニボルマブの最良効果判定としてはPRが1例、SDが1例、PDが13例、未評価が1例であった。扁平上皮癌14例のうち未評価1例を除いた13例における全奏効率は7.7%(1/13)であった。また、疾患制御率は15.5%(2/13)であった。全奏効率は既報では13.3%であったので、現時点では症例数が少ないのでやむをえないが、約半数と期待を大きく下回る結果であった。PRの1例は47歳の舌癌再発例、SDの1例は48歳の上顎癌再発例であり、前者は最も若い症例、後者は2番目に若い症例であった。症例数が限られているので断定することは避けたいが、PSが良好な症例、また腫瘍周囲での免疫反応が活発な症例においてニボルマブの効果が期待できることを示唆する結果かもしれない。少しずつであるがニボルマブ投与症例が増加することによって、PRもしくはCR症例が増えてくることが期待される。ある程度のPR/CR症例が集積された時点で、まとめて遺伝子解析、微小環境研究を遂行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
再発転移頭頸部扁平上皮癌症例14例に対してニボルマブを投与したが、CRは0例、PRは1例のみと、有効例が少なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も再発転移頭頸部扁平上皮癌症例の治療としてニボルマブ投与を積極的に行い、症例数を少しずつ積み上げていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画がやや遅れているため、研究費の余剰が生じた。 新年度で挽回を目指しており、遺伝子解析の試薬として使用の予定である。
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