研究課題/領域番号 |
18K09343
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
茂木 英明 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (60422698)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ゲノム構造変化 / 遺伝子コピー数 / 次世代シークエンサー / 難聴 |
研究実績の概要 |
先天性感音難聴において、コピー数変化(CNV: copy number variation)といわれる、ゲノム上の大きな規模での遺伝子の重複や欠失が原因となることが明らかになっている。 このCNVを網羅的に、複数の候補遺伝子から検出するために、次世代シークエンサーのリードデータから、簡便にCNVを検出する方法を確立した。これを一次スクリーニングとし、確認のため、aCGH(比較ゲノムハイブリダイゼーション法)を利用したマイクロアレイを用いて検証を行った。次世代シークエンサーからCNV候補 を見出し、複数の難聴遺伝子におけるCNVに対して、本CGHアレイを用いた検討を行った結果、いくつかの難聴遺伝子において、大きなゲノム領域の欠失などのCNVを 確認することができた。また、これは当教室で有する難聴患者のサンプルから、複数認められ、CNVが起こりやすい遺伝子を推定、確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
構造異常を見い出すためのaCGHの解析が難しい遺伝子が判明。これは、偽遺伝子(pseudogene)が存在し、配列が極めて類似しているためである。逆に、このような偽遺伝子が存在したり、特殊な配列構造を有する特徴があることが、構造異常を起こす原因でもある。解析手法などの見直しを行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノム構造変化やコピー数変化を認めた症例の表現型として、難聴の状態などの臨床情報の収集を行い、比較検討する。また、ロングリード型シークエンサーでの解析を行うことを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験結果のコンピュータ解析に問題があることがわかり、方法を見直す必要があった。このため、aCGHなどの物品を必要とする実験を一時中断。次年度に持ち越す予定。
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