研究課題/領域番号 |
18K09345
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研究機関 | 地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院(救急診療部、循環器病診療部、がん診療部、臨床診療部 |
研究代表者 |
山下 勝 地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院(救急診療部、循環器病診療部、がん診療部、臨床診療部, 臨床診療部, 科部長・主任医長 (10635519)
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研究分担者 |
末廣 篤 京都大学, 医学研究科, 助教 (00738247)
大森 孝一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10233272)
楯谷 一郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20526363)
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80700517)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 喉頭再生 / 気管再生 / 喉頭気管損傷モデル / 気道粘膜維持・修復機構 |
研究実績の概要 |
マウスならびにラットでの動物実験により、喉頭気管粘膜の傷害からの創傷修復機転解明および修復促進要因・手法に関する研究を行っている。 特に、①声帯瘢痕からsiRNAを用いて修復する研究、②声帯を動かす反回神経の麻痺をハイドロゲルを含有する人工材料(シリコンチューブ)を用いて再建する研究を精力的に行った。 ①声帯瘢痕は臨床上難治な病態で、これまで様々な治療が他施設で試みられてきたが、満足のいく結果は得られておらず、定型的治療法の開発が待たれている。コラーゲン特異的シャペロンのSerpinh1をsiRNAにて制御する実験をラットにて行った。4週までの経過において、瘢痕抑制に寄与する結果がみられ、声帯瘢痕治療の可能性を示唆する結果が得られた。 ②ラットにおいて反回神経切断モデルについて検討した。反回神経は迷走神経の分枝で切断されると声帯の麻痺を生じる。ヒトでは声嗄れや誤嚥を生じ、時に肺炎を生じさせる。切断された反回神経麻痺を明らかに改善したという報告はなく、悪性腫瘍切除での合併切除や甲状腺腫瘍手術時に誤って切断されることもある。このため、ラットにおいて6mmの反回神経切除を行い、自己凝集型ペプチドハイドロゲル(RADA-16-I)の有効性について検討した。反回神経切断による声帯麻痺後の声帯運動が改善した例は認めなかったが、RADA16-Iをシリコンチューブ内に入れて再建したモデルでは、術側の甲状披裂筋の筋量が維持されている所見をみとめ、同物質が反回神経再生に有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初期立案通りの実験方法ではないが、研究は遂行されつつあり、喉頭・気管再生に関する新知見が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
異動後の実験施設・環境などの要件から、今後はマウスを中心とした研究を継続予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究機関の属性変更、勤務体制や環境、人的資源の変化により研究の遅滞、研究費の執行に遅延を生じた。
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