研究課題/領域番号 |
18K09345
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山下 勝 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10635519)
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研究分担者 |
末廣 篤 京都大学, 医学研究科, 助教 (00738247)
大森 孝一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10233272) [辞退]
楯谷 一郎 藤田医科大学, 医学部, 教授 (20526363)
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 助教 (80700517)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 気管再生 / 成長因子 / 線毛運動評価 |
研究実績の概要 |
喉頭気管粘膜障害に対する修復過程の促進機序の解明研究を遂行中である。研究代表者の度重なる勤務先変更により、セットアップに時間を要している。研究分担者との交流を行い、研究の促進を数回計画したが、新型コロナウイルス感染症の流行により開催学会が著明に減少し、1回のみ実施可能であった。研究分担施設との協力により、以下2件の研究成果発表に至った。1.Insuline-like growth factor 1(IGF-1)は気管の器官培養系において上皮の伸長促進作用に貢献する。傷害を受けた気管上皮において上皮化の遷延は感染の機会を増やし、生体にとって不利益となる。13週齢ICRマウスを用いて、切除した輪状軟骨直下から気管分岐部までの気管を培養液中で培養し7日まで形態的変化が見られないことを確認した。次にIGF-1の濃度を振り分けた培養液中で気管の上皮の伸長状況を確認し、IGF-1の培養液中への添加が上皮の伸長促進に正に作用することを証明した。2.Wheat germ agglutininは昆虫や酵母、最近から小麦を守るレクチンである。この物質が細胞膜上の糖蛋白に高い親和性を持つ性質を利用し、ヒトから喉頭全摘術によって得た気道上皮の線毛運動を効果的に検出する方法を開発した。浸水下蛍光顕微鏡下に高速度カメラによって「生きた」線毛運動を観察することに成功した。従来のように、上皮を外して行う観察では実際の状況を見ているのかという疑問があったが、本方法によりより生体に即した評価を行うことができ、今後の多種の研究に応用可能な手法であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の異動、新型コロナウイルス感染症の蔓延による業務遅延、異動先施設の動物実験施設の移設計画などの影響を受けたため。
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今後の研究の推進方策 |
異動先での研究環境のセットアップが喫緊の課題である。設備の再構築が必要であるが、なるべく早急に稼働体制を確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遅延ならびに新型コロナウイルス感染症の蔓延による。研究機器の整備、消耗品に使用予定である。
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