頭頸部扁平上皮癌におけるアデノシン代謝の役割について検討を行った。頭頸部癌においてはCD39やCD73などのエクトエンザイムの発現が更新しており、細胞外アデノシンの分泌に関与している。その結果、腫瘍微小環境における腫瘍免疫を抑制することに繋がっていると考えられる。本研究により、腫瘍におけるMDSC(骨髄由来抑制細胞)が主に細胞外アデノシンの供給源であり、活発な糖代謝を行っていることが判明した。腫瘍環境におけるCD73の阻害やCD73陽性細胞の糖代謝を阻害するなど方法により、腫瘍環境を変化させ、がん免疫療法の治療効果を向上させることができる可能性が明らかになった。
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