研究課題/領域番号 |
18K09348
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
星川 広史 香川大学, 医学部, 教授 (70294767)
|
研究分担者 |
大内 陽平 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50795573)
森 照茂 香川大学, 医学部, 助教 (80568840)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | CTC / PET / 治療効果 / 頭頸部癌 |
研究実績の概要 |
循環腫瘍細胞(Circulating tumor cell: CTC)は血中内に流れる腫瘍細胞で、その存在が治療効果や予後を反映するともいわれている。今回はCTCの変化といういわばミクロな変化とPET画像というマクロな変化に相関がありかどうか、また予後との関連があるかを検討している。最近では新規薬剤の治験も増えており、従来の化学放射線治療の症例が減少している傾向もあり、19年度の登録症例がやや予定より下回った。その後、新型コロナウイルス感染症による輸送制限により約半年間試料の安定的な輸送が出来なくなった。さらに患者減により、20年度は4名のエントリーにとどまった。現在17例で治療前後の検査が完了しており、そのうち9例で再発転移を認めた。6例で局所再発、3例で遠隔転移を認め、遠隔転移の3例では治療後のCTC数、cfDNAの値がいずれも上昇を認めた。局所再発、遠隔転移例ともtype2 CTCの増加傾向を認めた。今のところ一定の傾向は認めていないが、治療前のcfDNA値が高い症例で再発を認める傾向があった。再発のない症例は、治療前、治療後ともcfDNAが再発例より低い傾向があり、治療後の増加率も再発例に比べ少なかった。21年度は5例の登録が追加できたが、全身状態の悪化などで治療の完遂が出来なかった症例もあり、評価可能な症例は4例にとどまった。21年度は受診控えによる進行がんが多く、受診の時点で従来のCRTもしくは手術が困難な症例が多く、プロトコールに合致したエントリーが困難であった。もう一年登録期間を延長することで、的確な症例の確保に努める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年度は航空便による試料の送付が出来ていない状況が続き、半年ほど研究がストップしてしまった。運送の問題は徐々に改善してきたが、患者さんの受診控えや病院業務の大幅な制限により、エントリーできる症例も激減した。そのため、1年間の研究期間延長を申請した。2021年度前半は適格となる症例の受診が3例ほど確保できたが、その後受診控えが影響したと考えられる超進行癌症例が増加し、通常のCRT,手術治療で開始できる症例が減少し、エントリーで来た症例が2例にとどまった。その結果、さらに1年間の研究機関の延長を申請せざるを得なくなった。
|
今後の研究の推進方策 |
入院時の新型コロナウイルス検査が必要など、通常より入院前に行う煩雑な業務が増えており、症例の登録が障害される要因にもなっている。エントリーできる症例の見落としを無し、説明業務を効率化し症例の確保に注力する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
症例登録が滞り、さらに研究期間を1年間延長したため次年度使用額が生じた。
|