研究課題/領域番号 |
18K09351
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
畠山 博充 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (10455652)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | hetrogeneity / 扁平上皮癌 / 表在癌 |
研究実績の概要 |
頭頸部癌の多くは扁平上皮癌であるものの、その浸潤能、転移能は症例間で異なる。高齢者に多い表在癌は緩徐な増殖のものが多く、従来の浸潤癌と異なる臨床像を示す。これまでのエクソーム、トランスクリプトームおよびプロテオーム解析技術の進歩や癌幹細胞の考え方から、頭頸部癌も多様な細胞組織で構成された不均一な集合体であることが分かった。浸潤能の違いや、放射線化学療法の感受性の違いには、腫瘍内不均一性(tumor heterogeneity)が大きく関わっていることがわかっている。また腫瘍を取り巻く組織の関与、特に免疫系からの腫瘍制御も臨床応用され、腫瘍組織そのものだけでなく、微小環境 (tumor microenvironment)の研究も不可欠なものとなった。これまでの症例間での遺伝子発現・変化はすでに尽くされており、今後はheterogeneityを生じる変化機構と、腫瘍周囲間葉組織の腫瘍増殖関与への原理的な理解が求められている。同一腫瘍内および周囲組織をそれぞれ取り出して、各種オーム解析を用いて頭頸部扁平上皮癌の細胞単位の分子発現変化を体系化し、癌化メカニズムの解明と治療標的の探索を行う。また表在癌の特性を理解し侵襲の強い治療から、癌の増殖を緩やかにして、癌との共存という治療概念を目指すことができる。現在は同定できた遺伝子群の発現を実際のサンプルを用いてその変化を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍に伴う実験環境での人員不足による。
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今後の研究の推進方策 |
一年延長し、現在は実験ができる人員を確保できたが、現状ではまだ十分ではない。残りは免疫染色のみであるため、検体数は多いものの最終年度として論文作成まで成果をあげられるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍に伴う実験計画延長のため
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