研究課題
メニエール病の診断は主に臨床症候的なものにもとづいておこなわれており、正確な診断を行うためには慎重な問診と経験が必要となる。メニエール病の病理学的特徴は内リンパ水腫であると考えられており、その有無を鑑別することは正確な診断に役立つと考えられる。現在内リンパ水腫を客観的に評価する方法として内耳造影MRIが報告され広まりつつある。その評価方法としては中島らが報告した二次元によるものが広くもちいられているが、内耳全体を評価しているものではなく、内耳全体を客観的に評価する方法の構築が望まれる。また健常成人に対して内耳造影MRIを施行し、正常の基準をしめした研究も存在しない。メニエール病の診断において内耳造影MRIの有用性を検証するためには、健常成人にたいして同検査を行い、比較することが重要である。本研究では健常成人とメニエール病患者に対して内耳造影MRIを施行し、内リンパ腔、外リンパ腔の観察を行った。それぞれを三次元構築し、容積、体積を測定し、比較検討した。その結果を用いてメニエール病患者の内リンパ腔の特徴を解析し、内耳造影MRIを用いてメニエール病診断の正確性を向上するアルゴリズムを構築した。本研究の方法を用いて行った診断と従来の二次元による診断を比較した結果、本研究の方法は有意に正確な診断ができることが示された。この結果はFrontiers in Surgeryに投稿し、出版される予定である (in press)。
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Frontiers in Surgery
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