• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

頭頸部癌幹細胞に対する宿主免疫応答

研究課題

研究課題/領域番号 18K09355
研究機関自治医科大学

研究代表者

西野 宏  自治医科大学, 医学部, 教授 (50245057)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード癌幹細胞 / ALDH1A1 / CD44 / 細胞周期
研究実績の概要

先行研究により頭頸部扁平上皮癌幹細胞のマーカーはCD44richALDH1A1richと考えている。今年度は4症例の手術切除検体を使用してCD44richALDH1A1rich細胞の細胞周期を測定した。現在結果が得られている2症例について報告する。
【症例1;下咽頭癌】癌細胞または正常粘膜組織上皮細胞に占めるALDH1A1rich細胞の割合を検討した。正常組織ではALDH1A1rich細胞の割合は0.1%と少なかったが癌細胞では10.4%と高割合であった。ALDH1A1rich癌細胞の細胞周期ではS期が57.5%と多く、G2/M期が21.5%およびG0/G1が18.8%であった。正常粘膜組織中の上皮細胞におけるALDH1A1rich細胞数は少なく細胞周期を測定できなかった。
【症例2;舌癌】癌細胞または正常粘膜組織上皮細胞に占めるALDH1A1rich細胞およびCD44rich細胞の割合を検討した。正常組織中のALDH1A1rich細胞の割合は0.1%、CD44rich細胞の割合は0.1%であった。その一方で癌組織中ではALDH1A1rich細胞は1.5%、CD44rich細胞は31.5%であった。正常組織中のALDH1A1rich細胞およびCD44rich細胞の細胞周期はG0/G1期が大多数をしめた。ALDH1A1rich癌細胞の細胞周期はG2/M期が40.7%と最も多く、G0/G1期が27.9%およびS期が21.4%であった。CD44rich癌細胞の細胞周期はG0/G1期33.5%、G2/M期28.5%、S期15.3%であった。
正常組織と比較して癌組織中にはALDH1A1rich細胞とCD44rich細胞が多く認められた。ALDH1A1rich癌細胞はS期およびG2/M期の細胞が多く、CD44rich癌細胞ではG0/G1、G2/M期、S期いずれも認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定された研究内容が進んでいる。

今後の研究の推進方策

癌幹細胞と考えているALDH1A1richCD44rich細胞の浸潤能を検討する。癌組織中に浸潤したリンパ球を分離しその表面マーカーを確認する。

次年度使用額が生じた理由

細胞周期を測定する際に使用した試薬購入費を低く抑えることができたため、次年度使用額が発生した。今後予定されている癌組織中のリンパ球分置の際に使用する試薬が予定より多く使用見込みのため、これらの試薬購入に使用する予定である。

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi