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2018 年度 実施状況報告書

中耳粘膜再生医療 ー経粘膜換気能の評価による最適な細胞ソースの検討ー

研究課題

研究課題/領域番号 18K09357
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

山本 裕  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10313545)

研究分担者 森野 常太郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00796352)
山本 和央  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50408449)
小島 博己  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60234762)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード中耳粘膜 / 再生医療 / 細胞ソース / 口腔粘膜由来上皮細胞 / 鼻腔粘膜由来線維芽細胞 / 脂肪由来幹細胞
研究実績の概要

真珠腫性中耳炎や癒着性中耳炎などの手術治療で、術中に鼓室腔および乳突腔の粘膜を保持することが困難な症例では、高率に真珠腫の再形成性や鼓膜の再癒着を来たす。しかし近年、術後の骨面に自己の鼻腔粘膜上皮細胞シートを移植して中耳粘膜を再生させることで手術成績の向上が期待できるようになってきた。
中耳腔の恒常性を維持するためには粘膜を介した換気作用(経粘膜換気能)が重要な因子となる。鼻腔粘膜上皮細胞シートを用いた先行する研究では、移植後の中耳腔は経粘膜換気能を有することが確認された。しかし他の細胞ソースを中耳腔に移植した場合に経粘膜換気能を持つかどうかは不明である。
本研究では、種々の培養上皮細胞シートを中耳腔に移植した際の中耳腔粘膜の形態、および経粘膜換気能を動物実験で明らかにする。中耳腔への移植粘膜の形態学的検討のみならず機能的な評価を行うことにより、中耳粘膜移植に適した細胞ソースを探索する。
移植モデル作製の準備として、家兎モデルを用いたコントロールモデルの再現性の向上させた。移植細胞の検討として、鼻粘膜由来上皮細胞、鼻粘膜由来線維芽細胞、口腔粘膜上皮細胞、脂肪幹細胞由来細胞の培養条件を検討した。移植後の細胞を評価する目的として、ヌードラットを用いた中耳粘膜損傷モデルの作製およびGFPトランスジェニックラット由来の細胞シート作製を検討した。
いずれの進捗も良好であり、来年度以降は中耳粘膜に適した細胞ソースの検討として移植実験を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

中耳腔へ移植するための細胞ソースを用いた細胞シートの作製、コントロールモデルとして利用する中耳粘膜剥離モデル作成に関して再現がとれているため。

今後の研究の推進方策

ラットモデルの実験系を確立することが出来たため、GFP由来細胞ソースをヌードラットの中耳腔に移植し、移植した細胞の残存状況を評価する。その結果を踏まえた上で、家兎モデルを用いた移植実験を実施し、再生した中耳粘膜における軽粘膜換気の解析を評価する。

次年度使用額が生じた理由

研究用試薬や備品、消耗品などが既存の物を使用することで経費がおさえられたため。次年度使用額が生じた。今後進捗に合わせて、ラット中耳解析用の研究用試薬購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Explant culture of oral mucosal epithelial cells for fabricating transplantable epithelial cell sheet.2019

    • 著者名/発表者名
      Morino T, Takagi R, Yamamoto K, Kojima H, Yamato M.
    • 雑誌名

      Regenerative Therapy

      巻: 10 ページ: 36-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nationwide survey of congenital cholesteatoma using staging and classification criteria for middle ear cholesteatoma proposed by the Japan Otological Society2019

    • 著者名/発表者名
      Morita Y, Tono T, Sakagami M, Yamamoto Y, Matsuda K, Komori M, Hato N, Hashimoto S, Takahashi H, Kojima H.
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 3 ページ: 346-352

    • DOI

      10.1016/j.anl.2018.10.015.

  • [雑誌論文] “患者まで届いている再生医療” 中耳粘膜再生治療―培養鼻腔粘膜上皮細胞を用いた日本発の再生医療―2018

    • 著者名/発表者名
      森野常太郎, 小島博己
    • 雑誌名

      再生医療

      巻: 17 ページ: 422-428

  • [学会発表] 治験を目指した鼻腔粘膜細胞シートの作製法の検討2019

    • 著者名/発表者名
      森野常太郎, 葛西善行, 山本和央, 小島博己
    • 学会等名
      第18回日本再生医療学会
  • [学会発表] 培養鼻腔粘膜上皮細胞シートによる中耳粘膜再生を目的とした治療と製造販売に向けた試み2019

    • 著者名/発表者名
      小島博己, 山本和央, 森野常太郎, 葛西善行
    • 学会等名
      第18回日本再生医療学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Ex vivo studies of the behavior of nasal mucosal cell sheet after grafting2018

    • 著者名/発表者名
      Kasai Y, Morino T, Yamamoto K, Kojima H
    • 学会等名
      5th Tissue engineering and regenerative medicine international society world congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 培養鼻腔粘膜上皮細胞シートによる中耳粘膜再生治療と製造販売に向けた試み2018

    • 著者名/発表者名
      小島博己
    • 学会等名
      第28回日本耳科学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 培養上皮細胞シート移植による中耳粘膜再生治療~細胞シート治療の普及に向けた輸送システムの検討~.2018

    • 著者名/発表者名
      谷口雄一郎, 山本和央, 森野常太郎, 葛西善行, 稲垣太朗, 小島博己, 肥塚泉
    • 学会等名
      第28回日本耳科学会
  • [学会発表] 中耳粘膜再生医療の普及に向けた培養鼻粘膜上皮細胞シートの輸送条件の検討2018

    • 著者名/発表者名
      森野常太郎, 葛西善行, 山本和央, 谷口雄一郎, 小島博己
    • 学会等名
      第28回日本耳科学会

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公開日: 2019-12-27  

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