研究課題
アレルギー性鼻炎に対する現状の免疫療法の限定的な治療効果に対し、治癒を望めるまでにするためには、より有効なTh1アジュバントが求められている。今回の研究では今まで使用されているmonophosphoryl lipid (MPL)をはじめとするいくつかのアジュバントと日本医科大学における癌免疫ワクチンである丸山ワクチンが実際にアレルギー疾患における免疫療法のTh1アジュバントになりうるかどうかの基礎的臨床的研究を行う。動物実験では雌性BALB/c系マウスを6週齢でスギ花粉抽出抗原による感作処置及び好酸球増多誘発(スギ抗原)処置を行う。感作処置として、各群の動物に下表に示す所定の感作抗原液0.2 mL/bodyをday 0、1、6、8及び14の計5回皮下投与する(初回感作日:day 0)。その後day 20に好酸球増多誘発スギ抗原液0.2 mL/bodyを腹腔内投与する。24時間後に、採血と腹腔内に1%FBS(Fetal Bovine Serum)含有PBS(Phosphate Buffered Saline)を5 mL注入して腹腔内細胞を回収する。これで動物によるスギ抗原誘発での好酸球誘導つまりTh2細胞誘導を行い、腹腔内洗浄液中の好酸球浸潤を確認し、その好酸球増多を丸山ワクチンで抑制する事を確認した。人に対する応用では標準化されたスギ花粉標準化エキス「トリイ」と丸山ワクチン併用免疫療法と丸山ワクチンを併用せず、プラセボを併用する免疫療法とのプラセボ対照ランダム化比較試験を行う。開始濃度は実薬では安全域を持つ2 JAU/mlの0.1mlより抗ヒスタミン薬の前投与を併用の元に開始し、最終的には2000 JAU/ml濃度エキス、0.1mlを注射する。6回の注射で、アレルゲン注射と同時に丸山ワクチンA液あるいはプラセボの投与を行う。
4: 遅れている
2020年より日本で標準化されたスギ花粉標準化エキス「トリイ」と丸山ワクチン併用免疫療法の実験的な皮下免疫療法を開始した。開始濃度は実薬では安全域を持つ2 JAU/mlの0.1mlより抗ヒスタミン薬の前投与を併用の元に開始し、最終的には2000 JAU/ml濃度エキス、0.1mlを注射する。6回の注射で、アレルゲン注射と同時に丸山ワクチンA液の投与を行っあた。安全性の確認としての第1相試験であり、3名行い同時注射でも皮膚反応などの副反応はそれぞれの単独例と変化のない事を確認した。
丸山ワクチン併用のアレルゲン免疫療法の安全性の検証は行われたので、今後は丸山ワクチン併用免疫療法と丸山ワクチンを併用せず、プラセボを併用する免疫療法とのプラセボ対照ランダム化比較試験を計画し、実施する。
スギ花粉標準化エキス「トリイ」と丸山ワクチン併用免疫療法と丸山ワクチンを併用せず、プラセボを併用する免疫療法とのプラセボ対照ランダム化比較試験がまだ施行されていないため、使用額が減少しました。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
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