研究実績の概要 |
咽喉頭異常感・嗄声・喉頭肉芽腫・喉頭痙攣・奇異性声帯運動・慢性咳嗽などの症状の一部には, 咽喉頭への酸逆流(LPR)に起因するものがあると指摘されている. しかし, PPI抵抗例も少なくなく, LPRの計測ができなかったため, その正確な診断は困難であり, LPRの解明は停滞していた. 本研究は, 咽喉頭逆流症(LPRD)の病態解明を行うことを目的に行うものである. 臨床試験の対象は,原因不明とされた咽喉頭症状(咽喉頭異常感・嗄声・喉頭肉芽腫・喉頭痙攣・奇異性声帯運動(PVFMD)・慢性咳嗽など)を主訴に千葉大学耳鼻咽喉科を受診された方で,本試験を説明し,同意していただいた方とし,近年開発されLPRの測定を可能とした「24時間下咽頭インピーダンス検査(HMII)」を用い,正確なLPRD診断を行う.同時に喉頭所見・食道所見・食道内圧所見・唾液中ペプシン値・症状スコアを採取する.LPRDと診断され希望があった場合は逆流防止手術を行い,治療効果を観察する.LPRD群と非LPRD群を比較検討し,その特性, 症状, 他覚的所見, 唾液中ペプシン値, 噴門形成術治療成績から, 本邦におけるLPRDを検討するものである.2019年度は40名のLPRD患者に対し上記の検査を行った。 来年度は、臨床研究に並行して、基礎研究を開始し、LPR動物モデルを作成し,反回神経・上喉頭神経・横隔神経・舌下神経を同定し,双極銀電極を留置する.安静時・刺激時・発声時の上記神経活動をモニターしLPRによる異常喉頭運動の存在を検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想通りの本研究対象者を確保しているため。 原因不明とされた咽喉頭症状(咽喉頭異常感・嗄声・喉頭肉芽腫・喉頭痙攣・奇異性声帯運動(PVFMD)・慢性咳嗽など)を主訴に千葉大学耳鼻咽喉科を受診された患者様に対し,本試験を説明し,同意していただいた方の中で,「24時間下咽頭インピーダンス検査(HMII)」検査を行った患者数は40名に達し、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
原因不明とされた咽喉頭症状(咽喉頭異常感・嗄声・喉頭肉芽腫・喉頭痙攣・奇異性声帯運動(PVFMD)・慢性咳嗽など)を主訴に千葉大学耳鼻咽喉科を受診された方で,本試験を説明し,同意していただいた方とし,近年開発されLPRの測定を可能とした「24時間下咽頭インピーダンス検(HMII)」を用い, 正確なLPRD診断を行う.同時に喉頭所見・食道所見・食道内圧所見・唾液中ペプシン値・症状スコアを採取する.LPRDと診断され希望があった場合は逆流防止手術を行,治療効果を観察する.LPRD群と非LPRD群を比較検討し,その特性, 症状, 他覚的所見, 唾液中ペプシン値, 噴門形成術治療成績から, 本邦におけるLPRDを検討するものである.2020年度はさらに50名のLPRD患者に対し上記の検査を行う予定である。また、LPR関連慢性咳嗽の逆流防止術効果が高い傾向にあるため、慢性咳嗽疾患単独についても検討を行う予定である。 2020年度は、臨床研究に並行して、基礎研究を開始し、LPR動物モデルを作成し,反回神経・上喉頭神経・横隔神経・舌下神経を同定し,双極銀電極を留置する.安静時・刺激時・発声時の上記神経活動をモニターしLPRによる異常喉頭運動の存在を検討する予定である.
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