• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の病巣同定:動物モデルの確立と橋渡し研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09371
研究機関新潟大学

研究代表者

堀井 新  新潟大学, 医歯学系, 教授 (30294060)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード慢性めまい / 持続性知覚性姿勢誘発めまい / 平衡機能検査
研究実績の概要

PPPD患者67名の平衡機能検査、めまいの自覚症状の程度、心理背景に関して検討した。 CP%が19%とやや高く、何らかの眼振を認めた症例が5例7.5%存在し、前庭疾患を合併したPPPDが存在するためと考えられた。回転検査やvHITでは異常は認めなかった。HADS(総合点)は正常よりは高値であり、抑うつや不安の程度が高いことが示唆されたが、他の慢性めまい疾患と比べて特に高いわけではなかった。DHIは53.6と重症で、めまい症より有意に高値であった。視覚依存の指標であるラバーロンベルグ率は正常より高値ではあるが、他のめまい疾患との差は認めなかった。体性感覚依存の指標である閉眼ラバー比は正常範囲であった。重力軸の感知の指標である自覚的垂直位は正常より高値ではあるが、他のめまい疾患との差は認めなかった。
このように、PPPDを検査所見の組み合わせから診断することは現時点では困難と考えられ、PPPDを診断するためには診断基準を満たすかどうか詳細な問診を行うことが必須である。だからといって、逆にPPPD診断にこれらのめまいのルーチン検査を省略することは勧められない。鑑別診断に挙がる疾患を積極的に診断するためには、これらの検査が重要となるからである。
さらに特異的な結果が期待できるfMRIに関しては、PPPD3名、正常コントロール3名に対して視覚刺激を用いた検討を行い、両者に賦活化部位に差があることが判明しつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度はPPPD診断のための問診票を作成した。本年度は診断に寄与する平衡機能検査について、67名のPPPD患者で検討した。昨年度からの有意な進捗を認め、おおむね良好な進捗度合いと判断できる

今後の研究の推進方策

昨年度作成した問診票、今年度解析した平衡機能検査の結果から、PPPDを効率よく診断するための方法を提案する。また、治療に関しては薬物治療の効果に関するデータも蓄積しており、それをまとめるとともに、認知行動療法も導入が終了しておりこの成績も解析する。病態に関してはfMRIを用いた検討をさらに推進する。

次年度使用額が生じた理由

想定より旅費が低く抑えられたため、次年度使用額が生じた。翌年度は国際学会出席が予定されており、次年度使用額を充当する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の診断と治療2020

    • 著者名/発表者名
      堀井 新
    • 雑誌名

      日耳鼻

      巻: 123 ページ: 170-172

  • [雑誌論文] PPPDの診断と治療について2020

    • 著者名/発表者名
      堀井 新
    • 雑誌名

      耳鼻臨

      巻: 113 ページ: 205-213

  • [学会発表] 1.ICD-11に収載された慢性めまい疾患Persistent Postural-Perceptual Dizziness(PPPD)について2019

    • 著者名/発表者名
      堀井 新
    • 学会等名
      日耳鼻三重県地方部会学術講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] alidated Questionnaire to Measure the Severity of Persistent Postural-Perceptual Dizziness (PPPD).2019

    • 著者名/発表者名
      C. Yagi, Y. Morita, T. Yamagishi, S. Ohshima, S. Izumi, K. Takahashi, A. Horii
    • 学会等名
      54th Annual Spring Meeting for American Neurotology Society.
    • 国際学会
  • [学会発表] 持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)診断のための問診票の開発とサブクラスの検討.2019

    • 著者名/発表者名
      堀井 新
    • 学会等名
      日耳鼻総会
  • [学会発表] 教育講演. 慢性めまい疾患の分類と診断.2019

    • 著者名/発表者名
      堀井 新
    • 学会等名
      第78回日本めまい平衡医学会総会.
    • 招待講演
  • [学会発表] Symposium. Persistent Postural-Perceptual Dizziness (PPPD): ICD-11 cited chronic vestibular syndrome.2019

    • 著者名/発表者名
      A. Horii
    • 学会等名
      15th Japan-Taiwan Conference on Otolaryngology Head and Neck Surgery
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 9.Development of a validated questionnaire for Persistent Postural-Perceptual Dizziness (PPPD) and investigation of the subtypes of PPPD.2019

    • 著者名/発表者名
      C. Yagi, Y. Morita, S. Ohshima, K. Takahashi, A. Horii.
    • 学会等名
      15th Japan-Taiwan Conference on Otolaryngology Head and Neck Surgery
    • 国際学会
  • [学会発表] 6.持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)におけるサブクラスの検討2019

    • 著者名/発表者名
      八木千裕、森田由香、北澤明子、山岸達矢、大島伸介、泉 修司、高橋邦行、堀井 新
    • 学会等名
      第78回日本めまい平衡医学会総会.

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi