本研究において正常および内リンパ水腫モルモットの蝸牛内部構造をin vivoで観察することができた。メニエール病の治療薬であるイソソルビドを鼓室内投与することにより、正常および内リンパ水腫モルモットの中央階の容積を軽減することができた。正常モルモットの蝸牛では、イソソルビド鼓室内投与の効果は、ライスネル膜が平坦化するにとどまるといった軽微なものであった。内リンパ水腫モルモットの蝸牛では、イソソルビド鼓室内投与の内リンパ水腫軽減効果はより強かった。これらの中央階容積の軽減効果は濃度依存性であった。これらの結果からイソソルビドの鼓室内投与はメニエール病治療のひとつの選択肢の可能性がある。
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