研究課題/領域番号 |
18K09381
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 徳子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00438061)
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研究分担者 |
山本 聡 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10588479)
佐藤 豊孝 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30756474)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | RSウイルス / 小児咽頭扁桃 / 上皮細胞 / M細胞 |
研究実績の概要 |
小児期に最も発達を示す鼻咽腔粘膜関連リンパ組織(NALT)の構成成分であるヒト咽頭扁桃組織を用いて,ヒトNALTの機能解析をおこなうことを目的に本研究を遂行した。コロナウイルス 禍で咽頭の手術が半年ほど中止されていたため、検体の収集に困難を極めたが、研究期間終了までに、14例の咽頭扁桃を同意を得て取得し、初代咽頭扁桃上皮細胞の培養をおこなうことに成功した。FACSによる細胞選別の条件検討を行った結果、OVAアルブミンの取り込みを指標に細胞回収を行って解析することが困難であったためGFP組換えRSウイルスを感染させることで、易感染細胞のcharacterizationを行った。 GFP感染後の咽頭扁桃上皮細胞には、高いGFP強度を示す細胞と、GFP陰性細胞が混在していた。GFP陽性細胞と陰性細胞をそれぞれsortingで回収し、total RNAを抽出し、RNAsequenceを行う予定である。一方で細菌とウイルス・上皮細胞の関係について小児咽頭扁桃細胞の代用として、BEAS2BとA549を用いて乳児期に定着する上咽頭細菌叢およびウイルス感染がどのように上皮バリア機能に影響を与えるのか解析を行った。方法としてダブルチャンバーにてsubmergeおよびair-liquie -interface(ALI)の条件で細胞培養を行い、RS感染と未感染においてそれぞれ肺炎球菌を感染させ、バリア機能を測定するとともに上層の細胞表面にgentamicin killing assay を行い細胞内および下層培養液中の生菌数の測定を行うことでウイルスに対する宿主免疫能が細菌の上皮細胞への侵入能をどのように変化させるか解析を行った。 その結果ALIの状態ではRSウイルス感染は上皮バリア機能を減少させ、RSウイルス感染後の肺炎球菌感染は上皮バリア機能をさらに減少させることを見出した。
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