研究実績の概要 |
1)マウスリモデリングのモデルの作製:BALB/cマウスの腹腔内にovalalbumin(0VA)4μgを2回注入する。慢性モデルを作製するために17日~37日までOVAを毎日吸入させて40日目に屠殺し、リモデリングモデルを作製した。鼻腔粘膜には、多数の好酸球浸潤が観察され、上皮細胞剥奪、杯細胞と基底膜肥厚が認められリモデリングの状態が認められた。一方、嗅粘膜でも呼吸粘膜ほどではないが軽度の好酸球浸潤、上皮細胞障害、基底膜肥厚が観察された。また粘液線のボーマン腺の増勢も観察され、分泌亢進が予想された。レクチン免疫染色にてConA, SNAの発現があり、リモデリング状態の粘液分泌の変化が示唆された。 2)人好酸球性副鼻腔炎の嗅粘膜と呼吸粘膜とのニトロチロシン(3-NT)の発現:呼吸粘膜上では著明な好酸球性浸潤とともに上皮細胞障害、胚細胞増勢が見られ、著明なリモデリングであることが観察された。嗅粘膜では好酸球浸潤は少なく、基底細胞肥厚も軽度であった。嗅粘膜上でのECP, MBPの発現は少ないが、ボーマン腺の増勢が認められConAの発現が観察された。副鼻腔粘膜前部と後部の好酸球数と3-NTの発現を比較すると、後部で優位に好酸球数と3-NTの発現を認めた。 3)嗅粘膜を細胞培養の確立:マウスの嗅粘膜上皮と繊維芽細胞や脳アストログリアの再構成による嗅粘膜の三次元培養に上皮細胞の分化を支持すると言われるVitamin A 加無血清培地と血清培地にて試みた。培養細胞に対して種々のcytokeratin抗体や抗Neurafilament抗体を用い嗅上皮であることを同定できた。今後、詳細な培養細胞の性格を検討する予定である。
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