研究課題/領域番号 |
18K09390
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
荒木 幸仁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 准教授 (70317220)
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研究分担者 |
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 教授 (80215946)
宇野 光祐 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科科, 助教 (20464828)
冨藤 雅之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科科, 講師 (80327626)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 頭頸部がん / 頚部リンパ節転移 / 転移抑制 / センチネルリンパ節 / 腫瘍溶解ウイルス / センダイウイルス |
研究実績の概要 |
今年度の本研究においては、腫瘍溶解性センダイウイルスBioKnifeを用いた転移抑制治療についての検討を行った。 まず原発巣に対するBioKnifeの治療効果を検討報告した。頭頸部扁平上皮癌細胞株および甲状腺未分化癌細胞株に対するin vitiro、in vivoにおける治療効果についてそれぞれ検討を行い、その抗腫瘍効果、ならびに安全性を証明した。英論文として2編投稿し、1編はすでにHead & Neck誌に掲載された。 また、舌扁平上皮癌頸部リンパ節マウスモデルにおいて、腫瘍溶解に伴う腫瘍特異的免疫誘導による転移抑制効果を検討した。疑似遠隔転移モデルを用いた検討では、有意な遠隔転移抑制効果を認めた。そのメカニズムとしてCD8陽性細胞誘導を認めた。本研究結果はすでにHead & Neck誌に投稿され、掲載されている。 さらには原発巣へのBioKnife注入により、リンパ流にそってセンチネルリンパ節へ移行すること、有意なリンパ節転移抑制効果を有することも示され、現在英文誌投稿中である。 以上のように、腫瘍溶解性センダイウイルス BioKnifeによる頭頸部癌に対する治療においては、原発巣に直接投与することが容易であり、その結果として、原発巣のみならず、センチネルリンパ節への移行による頸部リンパ節転移抑制効果、腫瘍特異的免疫誘導による遠隔転移抑制効果を期待できる。原発巣への投与により、原発巣・転移巣両社への治療効果が期待できる点で、本治療によるあらたな治療戦略を展開するための基礎を確立することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在初年度としては順調に研究を遂行できている。まだセンダイウイルスのみを用いた検討のみであるが、今後様々な手法へと発展させてゆく基礎段階を確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では、アデノウイルスベクターなど様々なウイルスベクターによるセンチネルリンパ説への移行などを検討の上で、遺伝子治療を予定していた。現時点ではセンダイウイルスのみでの検討であるが、今後も他の遺伝子治療、Photodynamic therapyや抗がん剤、分子標的薬などを用いた検討へと発展させてゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降、研究を強力に推進するため、本年度は支出を極力減らし、翌年度以降の研究費の残高を多くした。
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