研究課題/領域番号 |
18K09392
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研究機関 | 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部 |
研究代表者 |
内藤 泰 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部, 中央市民病院, 耳鼻咽喉科参事 (70217628)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高度難聴 / 高齢者 / 脳機能 / PET / FDG |
研究実績の概要 |
2020年度は、当初、高齢高度難聴者と健常(年齢相応)聴力ボランティアにおいて聴覚検査、認知機能検査、脳代謝計測(FDG-PET検査)を行う計画であったが、新型コロナウイルス感染の蔓延により、研究目的でのFDG-PET検査実施や健常ボランティアの募集、来院検査等が困難になったため、研究期間の1年延長を申請し、全体計画を後ろに移動した。その間、以前にFDG-PET検査を用いて実施した高度難聴小児のデータを再分析し、次年度の研究実施の参考とすることとした。この高度難聴小児の視覚言語処理中の脳機能検査はFDG静注後40分間、話をしている人物の顔のビデオとストーリーが追える静止画を呈示し、その後、脳のスキャンを行った。データ解析では高度難聴リハビリテーションの状況により、対象を3群に分けた。その人数は各群5名から7名であったが、SPMで分析するとP<0.001, uncorrectedの条件で、それぞれの群の脳代謝の差を推計学的に有意に検出することができた。したがって、高齢者における今回の研究でも、各対象群の人数は6名程度以上に設定すれば各群の聴覚機能の差に対応する脳代謝の差を描出できると予想され、2021年度に実施する研究計画に反映させる。また、研究をできるだけ短期間に完結させるために、治療前後の比較は行わず、人工内耳治療後1年以上装用を継続している群、高度難聴はあるが人工内耳手術は受けていない群、健常(年齢相応の聴力)群の3群をそれぞれ10名とする。 本研究に関連する聴覚、高度難聴に関する研究成果を専門領域の学会で発表し、2020年度にAudiology Japan誌をはじめとする専門誌に5編の原著論文が掲載された。また、3月には一般への情報発信として「聴こえと脳のはたらき」と題した講演会を計画していたが、緊急事態宣言が発出されたため、7月に延期している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、当初、高齢高度難聴者と健常(年齢相応)聴力ボランティアにおいて聴覚検査、認知機能検査、脳代謝計測(FDG-PET検査)を行う計画であったが、新型コロナウイルス感染の蔓延により、研究目的でのFDG-PET検査実施や健常ボランティアの募集、来院検査等が困難になったため、研究期間の1年延長を申請し、全体計画を後ろに移動した。
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今後の研究の推進方策 |
過去に我々が実施したFDG-PETを用いた研究方法と研究結果をレビューし、高齢者における今回の研究で、各対象群の人数は6名以上に設定すれば各群の聴覚機能の差に対応する脳代謝の差を描出できると予想され、2021年度に実施する研究計画に反映させる。また、研究をできるだけ短期間に完結させるために、治療前後の比較は行わず、人工内耳治療後1年以上装用を継続している群、高度難聴はあるが人工内耳手術は受けていない群、健常(年齢相応の聴力)群の3群をそれぞれ10名とする。 また、2021年3月に一般への情報発信として「聴こえと脳のはたらき」と題した講演会を計画していたが、緊急事態宣言が発出されたため、2021年7月に延期する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、患者および健常ボランティアを対象とする臨床研究が実施できず、当初計画より使用額が少なくなったため。 最終年度に予定通り研究を実施し、支出する予定です。
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