研究課題/領域番号 |
18K09397
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
秋山 英雄 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60359586)
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研究分担者 |
松本 英孝 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (30420178)
向井 亮 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70436327)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | イリジウム錯体 / りん光 / 酸素分圧 |
研究実績の概要 |
1.ゲートICCDカメラを用いたりん光寿命計測に基づく培養細胞とウサギの視神経乳頭における2次元酸素濃度を測定できたことをまとめて、下記の論文がアクセプトされた。 Ir(iii) complex-based oxygen imaging of living cells and ocular fundus with a gated ICCD camera. Akiyama H, Takahashi I, Shimoda Y, Mukai R, Yoshihara T, Tobita S.Photochem Photobiol Sci. 2018 Jun 13;17(6):846-853. 2.共焦点蛍光・りん光寿命イメージング装置(Beckerand Hicki GmbH)を用いることにより、イリジウム錯体を投与されたマウスやウサギの網膜、網膜色素上皮、脈絡膜の各層においてen-face(正面像)りん光寿命マップをおよそ撮影することが可能になった。 3.イリジウム錯体のりん光寿命マップを作製することによって脈絡膜毛細管板における酸素分圧をみることを目標としている。脈絡膜血管では動静脈の酸素分圧差が小さいためか酸素分圧が高い暖色系と酸素分圧が低い寒色系のマップを作成することがまだ達成できていない。もう少しクオリテイーの高い画像を取得するとこ、酸素分圧の絶対値を測定するための予備実験をする必要がある。また動物に投与するイリジウム錯体の種類を変えることも検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共焦点蛍光・りん光寿命イメージング装置(Beckerand Hicki GmbH)を用いることにより 細胞レベルでのりん光の検出、解析が可能となった。また共焦点顕微鏡ゆえに眼底の任意の層にピントを合わせることができ、マウスの網膜、網膜色素上皮、脈絡膜の各層においてen-face(正面像)りん光寿命マップを取得できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
光干渉断層計や造影検査では血管構造や血行動態の解釈が困難であった脈絡毛細管板における発光強度画像を撮影し、さらにりん光寿命マップを作成する。脈絡毛細管板の小葉フレームにおいて酸素分圧が高く、有窓構造のある部位が低酸素分圧であるかどうか確認する。イリジウム錯体を投与されたマウスあるいはウサギ眼で眼底のイメージングが得られることを確認し、網膜や脈絡膜のen-faceりん光寿命マップを作製、酸素分圧の測定を試みる。最終的には、我々が以前報告したサル眼の眼底同部位の脈絡毛細管板を観察して、central venule theoryが正しいことを確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画をしていた論文投稿ができず、次年度の目標となったため。
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