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2020 年度 実績報告書

長期追跡研究における糖尿病網膜症の時代的変化と新たな危険因子の検討:久山町研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09412
研究機関九州大学

研究代表者

安田 美穂 (宮崎美穂)  九州大学, 大学病院, 特別教員 (00336033)

研究分担者 園田 康平  九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
二宮 利治  九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード糖尿病網膜症 / コホート研究 / 有病率 / 発症率 / 危険因子
研究実績の概要

国民の視力低下、失明予防に役立つ有用なエビデンスを提供することを目的として、わが国の一般住民を対象とした眼科の前向きコホート研究の継続調査をおこなった。これまで約20年にわたり3000人以上におよぶ地域一般住民を追跡調査し、長年にわたり収集した眼科のデータと内科のデータおよび食事や運動習慣などの生活習慣データなどをあわせて糖尿病網膜症について解析するデータベースを構築した。さらに継続しておこなう毎年の健診データも追加してさらなる解析をおこなうことで、失明の主原因である糖尿病網膜症の長期間にわたる有病率、発症率、進行度の推移や危険因子、予防因子を検討した。
20年間の追跡調査の結果、わが国の糖尿病網膜症の有病率、発症率、進行度ともに減少していることがわかった。とくに糖尿病網膜症の単純型の有病率は有意に減少傾向にあることがわかった。糖尿病網膜症の前増殖型や増殖型のの有病率は横ばいであった。また糖尿病網膜症の発症に最も関連する危険因子は高血糖であった。追跡調査の結果、糖尿病者のうちヘモグロビンA1c8.0以上の血糖コントロール不良者の割合は年々減少傾向であり、それが糖尿病網膜症の有病率や発症率の減少の原因である可能性が示唆された。一方で、ヘモグロビンA1cのレベルにかかわらず、糖尿病網膜症の有病率は低下しており、その要因として血糖値以外の要素が関係している可能性も考えられた。血糖治療薬の種類が増えたことや、治療薬の効果が改善したことによる低血糖発作の減少などがその要素として挙げられるのではないかと考えられる。今後もさらに継続調査をおこなうことで、糖尿病網膜症の実態把握や危険因子や予防因子の解明につながると期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 久山町研究における眼科健診20年のあゆみ2020

    • 著者名/発表者名
      安田美穂
    • 学会等名
      日本緑内障学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 地域一般住民における近視性黄斑症の有病率の時代的推移:久山町研究2020

    • 著者名/発表者名
      上田瑛美 安田美穂
    • 学会等名
      日本近視学会総会

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公開日: 2021-12-27  

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