研究実績の概要 |
緊張状態にない摘出家兎後毛様動脈に対して Rhoキナーゼ阻害薬に血管拡張作用があるのか調べた。 high-K solutionによる血管収縮をさせずにRhoキナーゼ阻害薬を投与すると、投与前後で血管に変化はなく、血管拡張作用は認めなかった。 後毛様動脈をhigh-K solutionにより、血管収縮させ、Rhoキナーゼ阻害薬を投与したところ、血管弛緩作用を認めた[濃度(0.1nM)90.1±2.97%、(1nM)83.4 ±4.76%、(10nM)76.9±6.94%、(100nM)53.5±7.43%、 (1μM)15.84±3.2%、(10μM)9.25±1.9%、(100μM)5.9±2.58% (contraction rate compared to the maximal contraction, mean±SEM, n= 12 )]。 その血管弛緩作用は用量に依存していた。 Rhoキナーゼ阻害薬による血管弛緩作用と血管内皮細胞との関連を明らかにするために、血管内皮細胞を擦過障害させた後Rhoキナーゼ阻害薬を投与し血管が弛緩 するか確認した。内皮の有無により有意差はなかった。 Rhoキナーゼ阻害薬による後毛様動脈の弛緩作用にNOが関連するか明らかにするために、carboxy-PTIO、L-NAMEを加え、Rhoキナーゼ阻害薬を投与し血管弛緩作用 の変化をみたが、carboxy-PTIO、L-NAMEの有無による弛緩作用に有意差は認めなかった(n=5、n=7)。
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