研究課題/領域番号 |
18K09427
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
北岡 康史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10367352)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | nicotinamide riboside / autophagy / p62 / TNF |
研究実績の概要 |
我々は以前Nmnat3の強制発現により視神経のオートファジーが活性化したことを報告している。Nmnatはnicotinamide mononucleotideをnicotinamide adenine dinucleotideに変換する酵素である。今回我々はさらに上流に位置するnicotinamide ribosideが視神経軸索保護作用を示すか検討した。nicotinamide ribosideの硝子体注射により用量依存性にTNFによる視神経軸索変性は抑制された。TNFによるp62の視神経での上昇はnicotinamide ribosideにより有意に抑制された。nicotinamide ribosideはnicotinamide riboside kinase 1によりnicotinamide mononucleotideに変換されるが、このnicotinamide riboside kinase 1が網膜神経節細胞や視神経線維に存在することを免疫染色で確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視神経変性ではp62の上昇がおこり、オートファジーを含む代謝処理機構が障害されていると考えられるが、今回nicotinamide代謝経路の上流の物質により視神経保護と、さらにオートファジー障害の抑制も考えられた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後もnicotinamide ribosideや他のオートファジー活性物質がお互いに関連蛋白レベルに影響を及ぼすかを検討し、ミトコンドリアやnicotinamide riboside kinase 1発現への影響も検討していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
講座で購入済みである抗体や試薬が使用可能であったため節約できた。
|