研究課題/領域番号 |
18K09437
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
国松 志保 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医 (80301563)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高齢視野狭窄患者 / ドライビングシミュレータ / 緑内障 |
研究実績の概要 |
2019年度は、高齢視野狭窄患者の自動車運転能力を評価するために、視野狭窄をきたす代表疾患である緑内障患者を対象として、アイトラッキング搭載ドライビングシミュレータ(ETDS)を施行した。 緑内障患者30名(年齢:27歳~84歳、平均 55.5±28.5歳)に対して、視力検査、Humphrey中心24-2プログラム(HFA24-2)、エスターマン視野検査の後、運転アンケート、認知機能検査Mini-Mental State Examination(MMSE)、据え置き型眼球運動計測装置(Tobii Pro X2-30)にて運転時の視線の動きを測定しETDSを施行した。ETDSは速度一定でハンドル操作はなく、側方からの車の飛び出しなど全15場面での事故の有無を記録し、HFA24-2より両眼かさね合わせ視野(integrated visual field; IVF)を作成して、ETDSの結果と比較検討した。 その結果、ETDSでの事故数と、IVF下方平均感度に有意な相関があった(r=-0.37 P=0.04)。MMSEスコアとETDSでの事故数とは相関がなかった (r=-0.31 P=0.156)が、MMSEスコアの低い患者に視野障害と一致しないETDSでの事故がみられた。 高齢緑内障患者の運転機能を評価するには視野障害だけではなく、加齢による認知機能や運動能力の低下を考慮する必要があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理委員会申請に時間がかかったため、高齢視野狭窄患者にアイトラッキングを搭載したドライビングシミュレータでを施行するのが遅れたため
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今後の研究の推進方策 |
今回の結果をふまえて、高齢視野狭窄患者への効果的な運転訓練方法を考案する。また、視野障害度および認知機能障害度に合わせた運転支援(信号の事前通知、自動ブレーキ等)を行い、その効果を判定する。信号や左右の飛び出しの情報を事前に与えることによる、視線の変化についても検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:研究実施中のため、海外での成果報告が遅れている。
使用計画:研究成果をまとめて、成果報告、および、患者指導のリーフレットを作成する予定である。
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