視野障害が自動車運転能力に与える影響を検討するため、視野障害患者107名(平均年齢62.8±13.8歳)を対象として、アイトラッカー搭載ドライビングシミュレータ(DS)を施行した。その結果、年齢が高く、視野良好眼の視野が悪く、目の動きの少ない視野障害患者は、事故のリスクが高く、安全運転の指導にあたっては注意が必要であることが分かった。また、DS事故と視野障害の不一致率は、若年群では9.1±30.2%、中年群では12.5±32.5%、高齢群では37.9±45.1%と高齢になるほど増加しており、70才以上の視野障害患者は、視野障害と一致しない事故が増えるので、運転評価にあたっては注意が必要である。
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