風疹ウイルスが、眼内炎症性疾患であるぶどう膜炎の原因の一つである可能性が考えられているが、我が国における病態や頻度は明らかではない。本研究では、原因不明の硝子体混濁を有する患者31名に硝子体生検を行った結果、既知のぶどう膜炎や眼内リンパ腫が除外された原因不明症例のうち9名(29%)が風疹抗体率陽性だった。これらの患者は、中高年男性が多く、片眼罹患であり、中等度のびまん性硝子体混濁に加えて小型の角膜後面沈着物、白内障や緑内障の合併が見られ、一部の症例ではびまん性虹彩色素脱失が見られた。以上より、風疹ウイルスによるぶどう膜炎が共通の臨床像を有する診断カテゴリとして一定数存在する事が明らかとなった。
|