研究分担者 |
村岡 勇貴 京都大学, 医学研究科, 助教 (00739089)
大音 壮太郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (10511850)
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 教授 (40402846)
田村 寛 京都大学, 国際高等教育院, 教授 (40418760)
大石 明生 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50572955)
宇治 彰人 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60534302)
畑 匡侑 京都大学, 医学研究科, 助教 (70748269)
鈴間 潔 香川大学, 医学部, 教授 (80335265)
三宅 正裕 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90812793)
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研究実績の概要 |
イメージング研究で、パキコロイドという脈絡膜が厚い病態が注目されている。これは加齢黄斑変性の一部と関連があることが分かっている。最近の研究では、滲出型加齢黄斑変性のサブタイプの1つであるポリープ状脈絡膜血管症(PCV)を、パキコロイドと非パキコロイドに分類した場合、光線力学療法を行うと、パキコロイドより非パキコロイドで5年後の視力が悪いことが分かってきた。しかし、現在の主流である抗VEGF単独療法の長期治療経過の違いについては調べられていない。そこで、我々はPCVを同様にパキコロイド、非パキコロイドの2群に分け、5年後視力や網膜や脈絡膜の構造について調べた。115眼のPCVをマルチモダルイメージングにより、パキコロイド48眼(pachy-PCV群)、非パキコロイド67眼(nonpachy-PCV群)に分けた。治療前のパラメータは脈絡膜がpachy-PCV群で有意に厚かったものの、他のパラメータには差がなかった。5年間で使用した抗VEGF薬は両群で差がなく、1,2,3,4,5年後の視力も差がなかった。脈絡膜は5年間で薄くはなったものの、薄くなる割合は両群間で差がなかった。また、両群で5年後視力とベースラインの年齢に負の相関があった。本研究結果から、抗VEGF薬のPCVに対する効果は、パキコロイドでも非パキコロイドでも同様であると考えられた。光線力学療法の先行文献と合わると、パキコロイドのPCVにはどちらの治療法でもよいが、非パキコロイドのPCVには抗VEGF単独療法の方が望ましいことが推測された。
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