研究課題/領域番号 |
18K09449
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
柳井 亮二 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (10346554)
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研究分担者 |
徳田 和央 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50266863)
寺西 慎一郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (90649360)
木村 和博 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60335255)
池田 栄二 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30232177)
原田 陽介 広島大学, 病院(医), 講師 (10464314)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マウス加齢黄斑変性モデル(CNV) / 自己免疫性実験的ぶどう膜炎(EAU)モデル / ADAM12 / ADAM17 / basigin / omega 3 / チトクロームP450代謝産物(CYP) / 血液網膜バリア |
研究実績の概要 |
加齢黄斑変性(AMD)は先進国の視力障害の主原因にもかかわらず、有効な根治療法がない。私たちはオメガ3脂肪酸とそのチトクロームP450代謝産物(CYP)により接着因子が減少して免疫細胞浸潤が抑制され、滲出型AMDに特徴的な脈絡膜新生血管が縮小することを証明した。さらにオメガ3脂肪酸はT細胞浸潤を抑制して眼内炎症を沈静化することを報告した。これらの研究成果から、網脈絡膜への免疫細胞浸潤が滲出型AMDの病態に重要であるとの仮説に至った。 本研究ではマウス加齢黄斑変性モデル(CNV)の脈絡膜血管新生の発生における血液網膜バリアの調節因子を同定することを第一の目的とする。血液網膜バリアの調節因子を解析するため、網脈絡膜への免疫細胞浸潤に対するADAM12、ADAM17およびbasiginの役割をCNVおよび自己免疫性実験的ぶどう膜炎(EAU)モデルを用いて評価する。 本年度は網膜バリア調節因子であるADAM12 siRNA(ID: s61951, S61952 Thermo Fisher Scientific.)、ADAM17 siRNA (ID: s61958, s61959), basigin siRNA (ID: s63099, s63100)を32-gauge needle+Hamilton syringeを用いて硝子体注射を行ってこれらの因子をノックダウンし、網膜内での発現の変化をRNAおよびタンパク質レベルで確認した。硝子体注射の時期と核タンパク質の発現量の時間的、容量的な変化を観察し、マウス加齢黄斑変性モデル(CNV)および自己免疫性実験的ぶどう膜炎(EAU)モデルに最適な実験条件の確立を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は実験モデルマウスの確立が主目的であり、概ね予定通りに研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に確立したマウスモデルに、オメガ3脂肪酸および対照試料、オメガ3脂肪酸由来のCYP代謝産物 (17,18-epoxyeicosatetraenoic acid [EEQ], 19,20-epoxydocosapenaenoic acid [EDP])、対照群としてオメガ6脂肪酸由来のCYP代謝産物 (14,15-epoxyeicosatrienoic acid [EET])(Cayman Chemical Co.)を投与し、血液網膜バリアの調節因子に対する影響を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,モデルマウスの確立に主眼をおいて研究を進めたため,薬品購入費や検査費,出張費や出版費などへの支出がなかったため,これらの経費は次年度に使用する予定である。
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