研究実績の概要 |
1)GUANYLATE CYCLASE 2D(GUCY2D)にバリアントを持つ錐体ジストロフィをきたす家系においては、その発症はdominant-negative 効果によるものと推定されている。我々は遺伝学的解析から、本症と診断した患者の協力を得て血球細胞よりiPS細胞の作成を行ない、遺伝子編集による治療の可能性を探索する研究を開始した。疾患原因となっている遺伝子そのものの発現をバリアント近傍の遺伝多型を利用してアレル特異的に発現を抑制する系を。作成した。GUCY2D は網膜視細胞特異的な発現を持つ遺伝子であるため、iPS細胞を網膜細胞に分化誘導を行い、病的アレルの遺伝子発現が抑制されていることを確認したした。樹立したGUCY2Dバリアントを有する疾患iPS細胞と遺伝子編集を行った細胞についてを比較てしてレスキュー効果が得られているか、また細胞内カルシウムの測定、 cGMP 濃度の測定、RNAシークエンスを行なったが、安定した測定結果が得られていなかった。 2)dominant-negative 効果により細胞障害をきたす バリアントを持つ症例の探索を行った。黄斑ジストロフィと網膜色素変性(桿体錐体ジストロフィ)120例について、次世代シークエンス法による130候補遺伝子のターゲットシークエンス解析を 追加した。網膜色素変性で30%、黄斑ジストロフィで50%の症例について、原因となる遺伝子の変化が同定された。これらのうち、常染色体優勢遺伝(AD)を 示す網膜色素変性においてRho, RP1がそれぞれ3例と2例の合わせて5例。また 黄斑あるいは錐体ジストロフィにおいてはGUCY2Dに新たに2例、さらにPRPH2,RP1,CRXのバリアントを持つ症例2例をづつ計6例について、ゲノムデータベースともちいて病態のメカニズムについての検討を継続した
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