Insulin-like growth factor-1 (IGF-1)は網膜血管の正常な発達に必要で、未熟児における長期間の血清IGF-1の低値は未熟児網膜症、気管支肺異形成症、脳室内出血、壊死性腸炎などのリスクを高めると報告され、生後早期から血清IGF-1濃度を高く保つことが生後の合併症を予防する方法となりえると考えられている。本研究では、未熟児網膜症動物モデルにIGF-1を投与することで網膜症の発症・重症化が抑制できるか検討した。その結果、予想に反して動物モデルでは、生直後のIGF-1の低値が網膜症の悪化には寄与せず、むしろIGF-1の投与によって網膜症が悪化することが明らかになった。
|