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2019 年度 実施状況報告書

PACAPによる角膜上皮創傷治癒効果とその作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09462
研究機関星薬科大学

研究代表者

柴藤 淳子  星薬科大学, 先端生命科学研究所, 寄附講座等客員助教 (10611121)

研究分担者 中町 智哉  富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (30433840)
RAKWAL RANDEEP  筑波大学, 体育系, 教授 (70590850)
塩田 清二  星薬科大学, 先端生命科学研究所, 教授 (80102375)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードPACAP / 角膜外皮 / 創傷治癒
研究実績の概要

神経ペプチドPACAP (Pituitary Adenylate Cyclase-Activating Polypeptide:下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド)の角膜上皮創傷治癒促進作用メカニズムの解明を目的に、正常ヒト角膜上皮細胞を用いた創傷治癒モデルにPACAPを滴下し、治癒創生過程での網羅的遺伝子発現解析を行う。本研究ではPACAPによる角膜上皮損傷治癒促進メカニズムの作用機序において重要な働きをする因子を正常ヒト角膜上皮創傷治癒 In vitroモデルを用いたDNAマイクロアレイ解析により網羅的に同定する。DNAマイクロアレイ解析で得られたデータはIngenuity Pathways Analysis(IPA)のバイオインフォマティクス解析ソフトを利用し、生物学的機能解析やパスウェイ解析を行う。
今年度はマイクロアレイ解析を行うためのサンプリング条件の検討など行い、サンプリング時間はPACAP添加から3、6、18、21時間とした。DNAマイクロアレイ法による遺伝子発現解析を行った結果、PACAP群では遺伝子2518種(増加853、減少1665)、PACAP + scratch群では遺伝子2402種(増加464、減少1937)が変動を示した。パスウェイ解析の結果、PACAP群ではERK系の遺伝子変動が多く、PACAP + scratch群ではJNK系の遺伝子変動が多くなる傾向が示唆された。昨年度においてPACAPによる治癒作用が細胞遊走ではなく細胞増殖が中心となっていることが考えられたことから増殖に関与するMAP系の遺伝子群を調査したところ創傷治癒に重要だと思われる因子としてNR4A1を選定することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に予定していたDNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析が実施できた。さらにパスウェイ解析を行った結果、増殖に関与するMAP系の遺伝子群において創傷治癒に重要だと思われるNR4A1を選定することができた。

今後の研究の推進方策

今後はPACAPによる角膜外皮創傷治癒効果に関与する因子として選定されたNr4a1 (nuclear receptor subfamily 4, group A, member 1)についての討を進める。NR4A1の阻害剤として知られているTHPNを使用した場合のPACAPによる細胞増殖効果やスクラッチアッセイによる創傷治癒効果の確認を行う。さらにPACAPによるNR4A1のタンパク質発現変化やリン酸化変化の確認を行う。さらにマイクロアレイ解析データのさらなる解析を進め、PACAPによる創傷治癒効果に関与する因子の同定をさらに進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Relation between ADNP and PACAPon tissue distribution, protective effect and trophic effect in neural tissue.2019

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Nakamachi
    • 学会等名
      ADNP Family Conference and Scientific Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] Effect of PACAP on corneal epithelial repair2019

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Nakamachi
    • 学会等名
      The Akira Arimura Memorial VIP/PACAP and Related Peptides Symposium: 30 years after PACAP Discovery
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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