研究実績の概要 |
5-FU類抗がん剤治療を受けている患者の涙液中の5-FUを吸着除くことで、患者のQOLの向上に貢献できると認識している。涙液中の極めて低い濃度(約20 ng/mL)の5-FUを効率的に吸着除くするために、2年目ににメラミンナノ粒子の最適化技術を取り組んだ。関係論文は1報を発表した(Chem. Rev. 2020, 120, 4, 2347-2407)。
まず、架橋型メラミンナノ粒子の気孔率及び疎水性と5-FU吸着能力の相関性を一部解明した。メラミンナノ粒子で使われている架橋スペーサーの疎水性が高くなると、5-FUの吸着力が向上することが分かった。 メラミンナノ粒子の5-FU吸着力は5-FUの濃度に影響している。200 ng/mL以下ですと5-FUの吸着能力が顕著に低下する。架橋段階でメラミンナノ粒子の気孔率の低下するのは原因と推察する。メラミンナノ粒子の気孔率を高めるには、架橋条件の最適化が重要であること認識した。
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