本研究は、がん患者におけるフルオロウラシル(5-FU)治療を受ける際、目への副作用を軽減するため涙液中の5-FUを吸着できるナノ材料および複合化コンタクトレンズ(CL)の製造を目指す。各種親疎水性や気孔率を有するメラミンナノ粒子を製造し、疎水性ナノ空間における水素結合力によって高い5-FU吸着能力を確認した。一方、メラミン残基をナノチューブの中空空間に導入すると、中空空間の親疎水性にかかわらず吸着効果は確認されなかった。ナノ材料と高分子材料の複合化を検討し、ナノ材料による高分子ゲールの物理強度や徐放性向上にも確認し、CL応用への用途開発の指針を示した。研究期間中、計4報の国際誌を発表した。
|