研究課題
①ニューロメジンU遺伝子欠損マウス(NmU KO)と対照マウス(野生型マウス:WT)に網膜光凝固によりCNVをそれぞれ誘導した後、誘導後7日目のCNV(レクチンB4陽性)または、14日目の網膜下線維瘢痕化(コラーゲンtype 1陽性)の体積を比較した。NmU KOとWTにおいてCNV体積には有意差がみられなかった。それに対し網膜下線維瘢痕化はNmU KOで対照マウスと比し有意に増加していた。②野生型マウスの腹腔からチオグリコレートで誘導した活性化マクロファージを調整した。調整した活性化マクロファージをWT由来の網膜色素上皮細胞(RPE)と共培養し、NmUまたは基剤の刺激により、RPEにおけるEMTマーカーであるα-SMAの発現変化について免疫染色法で調べた。NmUによりRPEにおけるα-SMAの発現は抑制された。③次に、NmUのRPEでのEMTにおける作用がどの受容体介して生じているかを調べるためにRPEのRNA干渉法を用いてNmU受容体1(NmUR1)またはNmU受容体2(NmUR2)の発現を抑制し、NmUの刺激によるα-SMA発現の変化について免疫染色法で調べた。RPEにおけるNmUR2の発現を抑制するとNmUによる発現抑制効果は維持されたままでα-SMAの発現は抑制されていた。NmUR1の発現を抑制した場合にはNmUによる発現抑制効果は減弱し、α-SMAの発現がNmUR2発現抑制時と比し、増加していた。これらの結果から、NmUにはRPEのEMTを抑制する作用があり、その抑制作用はNmUR1を介している可能性が示唆された。④実験的マウスぶどう膜炎モデルにおいて、WTにEAUを誘導しday16における所属リンパ節の細胞を抽出する。マウス由来RPE細胞とin vitroでリンパ節細胞を共培養し、IRBPで刺激し、さらにNmU刺激の有無で培養し3日後の培養上清中のIRBP特異的IFN-γ, IL-17Aの発現をELISA法にて測定した。NmU刺激によりIRBP特異的IFN-γの発現低下がみられたが、IL-17は発現低下はみられなかった。
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